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2021-03-20

【相撲編集部が選ぶ春場所7日目の一番】髙安、約3分の相撲を制しトップを守る

1敗トップグループの髙安が宝富士と3分近くの熱戦を繰り広げ、最後は上手出し投げで転がした

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髙安(上手出し投げ)宝富士

6日目を終えて、1敗のトップグループは大関朝乃山、関脇照ノ富士、隆の勝、小結髙安、平幕の妙義龍、千代の国の6人。7日目は朝乃山、隆の勝、妙義龍の3人が敗れ、2敗の力士にもチャンスはあり、今場所も混戦ムードとなってしまった。

今回は1敗を守り、初優勝を目指す髙安を取り上げたい。この日の対戦相手は宝富士。幕内での対戦成績は髙安が16勝7敗とリード。ともに左の相四つで、どちらが先に上手を取るかが勝負のポイントだ。

立ち合いは胸から当たった両者。髙安は宝富士の左差しを嫌っておっつけると、右四つに組み合った。宝富士が巻き替えにいくが、これも防がれ、両者の体が離れる。再び組み合うと今度は左四つに。両者上手が取れず、膠着状態となり長い相撲になった。1分半過ぎ、宝富士が右をおっつけながら上手を取る。髙安は左半身になって守りの体勢。

宝富士としてはいい形になっただけに先に攻めたいが、なかなか動くことができない。3分近くなり、久しぶりの水入り相撲かと思われた瞬間、髙安は腰を振って相手の上手を切ると、逆に右上手を取って、慌てて前に圧をかける宝富士を上手出し投げで転がした。2分59秒の勝負だった。

1敗を守り、トップグループを維持した髙安だが、取組後のリモート取材は拒否。花道を引き揚げるとき、NHKアナのひと言インタビューでは「我慢することができた」と語っていた。

3分近い相撲で宝富士の息はかなり上がっていたが、髙安はそれほどではなかった。場所前にいい稽古ができた証拠だろう。連日、元横綱稀勢の里の荒磯親方と三番稽古。2日前のインタビューでは、「荒磯親方との稽古が活きている」と言っていた。左胸のケガが癒えた親方は今の大関陣ぐらいの力がまだあるのではないか。

2月には第一子となる長女が誕生。妻で歌手の杜このみさんは実家のある北海道で出産したため、まだ会えていない。「場所が終わったら会えるので、それを励みにやっていきたい」と発奮材料ができた。

現役の大関経験者で優勝がないのは髙安だけ。優勝したい気持ちはだれよりも強い。「千秋楽まで優勝争いに絡めるよう頑張りたい」と2日前に語っていたが、「目標は優勝」と言わないところが奥ゆかしい。8日目は髙安と照ノ富士の対戦が組まれた。優勝を占う大一番となりそうだ。

文=山口亜土

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