2021年3月28日、2020-21シーズンの学生駅伝で大躍進を遂げた創価大学の榎木和貴監督によるオンラインセミナーを開催した。MCを務めた生島淳さんがセミナーの状況をレポートする。当日の様子はYouTubeでも公開される。
正月の駅伝で総合2位となり、衝撃を与えた創価大学。今回の躍進の背景にはガーミンのランニングGPS ウォッチを活用した強化策があった。3月28日、榎木和貴監督はオンラインセミナーで飛躍を遂げたシー ズンをこう振り返った。「2020年は箱根駅伝で9位に入り初めてシード権を獲得しました。それを受け、昨季が始まる前に学生たちと目標の共有をしましたが、9位の分析と反省のもとに『箱根駅伝3位』を私から提案し選手たちも納得してスタートしました。 コロナ禍で生活の拠点となる寮の人数制限により、約半数の選手が実家に帰省しましたが練習状況を把握することが簡単ではなくなりました」
そこで活用したのがガーミンのランニングGPSウォッチ。装着することで走行距離だけでなく、心拍数、練習負荷がリモート状態であっても把握できるのだ。「選手たちの練習状況をデータ共有しているので、誰がどれだけ走ったのか分かります。選手選考の当落線上の選手たちは、ライバルに刺激されてさらに意欲的に 練習に取り組んでいました」選手たちはガーミンコネクトアプリを使うことで、自分たちの成長も確かめることが出来た。中でもVO2 Max(最大酸素摂取量)の測定は、成長を計る分かりやすい目安となる。「選手たちのVO2 Maxは70から90です。ジョグでは高めることはできませんが、負荷が高い練習を行った翌日には数値が上がります」
また、心拍数の負荷の見極めにも有効だ。5km×4 本のロングインターバル練習を行った時のデータの見 方を、榎木監督が解説してくれた。
「5kmを14分40秒から15分00秒の設定で行ったものですが、20代前半のMax値は200bpm(1分間に200 回)です。練習では2本目以降に150bpmから170bpm と適切な負荷で走れていることが分かるんです。また、 設定タイム通りで走ったとしても、無酸素運動の負荷が高いとすると、オーバーワークという判断になり、その後は体調を見極めながら練習を進めていくことになります」 創価大の部員数は46人。榎木監督は選手と一緒にジョグをしながら状態を確認しているが、それだけでなく、データから得られる些細な変化を見逃さないようにしている。
それにしてもなぜ、ガーミンのランニングGPSウォッチではこのようなデータ解析が可能なのか?
それは世界中の心拍データを解析してきたFirstbeat Analytics社(ファーストビート アナリティク ス)を傘下に入れ、このアルゴリズムを利用することで、最先端のデータ分析が可能になっているからである。これがガーミンのソフトウェアにおける強みである。さらにデータを人間が読み解くことで強化に生かすことが可能になる。
この日の榎木監督のオンラインセミナーの様子は、「陸上競技マガジンYouTube」と「ガ ーミンジャパンYouTube」で視聴が可能になっている。
榎木監督が選手たちのデータをどのように解析し、その数値をどのように指導に生かしているかという解説は、指導者や現役の選手たちにとって、強化のヒントが満載だろう。 2021年の創価大のスローガンは「ストライプインパクト」。
4月からの練習では、互換性のあるアプリと連動することで、より詳細なトレーニング統計の集計や、デ バイス上のワークアウトを可能にする「ForeAthlete 745」を導入する。三大駅伝ですべて3位以内を目指 す創価大にとって、心強い味方が加わる。2021年の創価大に大きな期待が集まる。
〜参加者からのQ&A 〜
Q チーム内のデータ共有について、データは監督と部員も全員登録をしている?
A「ガーミンコネクトのグループ上で部員全員が登録しています。コロナ禍の期間中は合宿所に残る学生 と、実家に戻った学生に分かれてしまいましたが、誰がどのくらい走ったのか、私を含め、部員全員でデ ータ共有していました。創価大では1か月間に平均750kmを走るのを目標としているので、進捗状況の把握に役立ちましたね」
Q選手が疲労を感じている時に、データを活用してポイント練習の日程をずらすことはありますか?
A「ガーミンコネクト上で、ジョグからでも疲労度を計ることができます。普段のジョグでは1分間の心拍 数が144回の選手が、154回に増えていたとしたら、疲労が回復していないことを示しています。その場合 は負荷の高い練習を1日延ばしたり、1度飛ばしたりしますね」
Qガーミンのデータ活用はどのくらいのスパンで確認していますか?
A「1日に2時間ほど、うまく時間をやりくりしながら、選手たちのデータをチェックしています。1 週間 にまとめて見るという形だと、数字を追いきれませんし、選手の日々の状態を把握できませんからね 。ガーミンのランニングGPSウォッチから得られるデータが、選手たちの変化を見極める材料を提供してくれています」
創価大駅伝部は、この春からは ForeAthlete 745を使用。上下動や接地時間やそのバランス等が測れる
ランニングダイナミクスポッド(別売)も活用している。
ForeAthlete 745 ¥ 44,800(税込 ¥ 49,280)
ガーミンジャパン公式You Tube
https://www.youtube.com/channel/UCnLS-_h6WguQ0Ey4K-bjdgw