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2021-06-07

【プロレス】新格闘王となった前田日明が9カ月ぶりにアントニオ猪木と激突!「闘えば闘うほど哀しくなってくる」1986年12月10日

互いの出方をうかがうアントニオ猪木と前田日明

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 1986年12月10日、新日本プロレス大阪城大会の「ジャパンカップ争奪タッグリーグ戦」でついにアントニオ猪木と前田日明の対戦が実現した。

 浪速のプロレスファンはえげつない。猪木が前田のパートナーである木戸修と闘っていると「木戸、前田とタッチしろ!」と言うし、猪木と前田が対戦していると猪木のパートナーである藤原喜明に「藤原、出てくるんじゃないぞ」とヤジを飛ばす。

 タブー化していた猪木vs前田がやっと実現したのだ。両者が対戦するのは同年3月26日の新日本vsUWFの5vs5イリミネーションマッチ以来9カ月ぶり。前田と闘わない猪木は自身のイメージを少しずつ落としていた。

 先発を買って出たのは猪木と前田。両者はにらみ合ったまま、相手の出方をうかがった。ただならぬ緊張感の中で数分が経過。じれた前田がふっと気を抜いた瞬間、猪木は右ストレートを出していた。

 問題の場面は15分過ぎにやってきた。マットに倒れた前田に猪木は明らかにケンカと思われて仕方がないパンチを出したのだ。

 前田も感情的になってやり返す。猪木は危険を察知して、藤原にタッチを求めた。これをなんと藤原が拒否。仲間割れかと思わせておいて、今後はリング下から前田の足を払う。

 このチャンスに猪木が延髄斬り。前田は倒れながらも猪木にしがみつき、両者は場外へ転落。猪木は延髄斬りを放ったが、2発目をよけられてて右足を鉄柱に誤爆。このダメージによって、リングアウト負けとなった。

 翌11日の両国国技館大会で前田&木戸組はディック・マードック&マスクド・スーパースターとの優勝戦進出決定戦に勝って、優勝決定戦で再び猪木&藤原と対戦。猪木が卍固めを木戸に決め、藤原が前田のカットを阻止。前日と打って変わってなぜか猪木vs前田は白熱しないまま、猪木&藤原の優勝で勝敗が決着した。

 試合後、前田は「猪木さんとリングの上で闘えば闘うほど、なんかこう哀しくなってくるんだよね。もういいですよ、休んでくださいと言いたいです。こっちもつらいんですよ。機会があれば、シングルをやりたいけど、機会を作るのも向こうさんですから」と吐露。ドン・中矢・ニールセン戦を経て存在感を高める“新格闘王”は衰えが見え始めた猪木戦に複雑な思いを抱くようになっていた。

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