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2021-05-28

【プロレス】アントニオ猪木「マスコミがアオり続けるうちは絶対に前田日明とやらない」1986年秋

アントニオ猪木vsレオン・スピンクス

1986年10月9日、新日本プロレス両国大会で前田日明がドン・中矢・ニールセンとの異種格闘技戦を制し、同大会のメインでおこなわれたアントニオ猪木vsレオン・スピンクスの異種格闘技戦が凡戦に終わった。猪木との間接的な勝負を制した前田は“新格闘王”と呼ばれるようになり、一気に存在感が激増。その一戦について猪木が口を開いた。

「前田の試合は自分の出番前に控室のモニターでチラッと見ただけだから何とも言えないね。彼の試合の中に光るものがどれだけあったかということは、みなさんの批評にお任せしますよ。ただ、オレ自身は初めから前田と試合内容で勝負しようという気はまったくなかったよ。

 そりゃもう、ボクサーと闘うことの方が、かみ合うという点ではるかに大変ですからね。でも、(前田は)いい経験になったことは確かだろうね。最初のラウンドにいいパンチを顔面に食らって、終わってからもしばらく記憶が戻らなかったって話を聞いたけど、オレもそういう経験を格闘技戦で何回も繰り返して、闘いにおけるガードの重要性とかを思い知ったわけだしね。

 前田戦? おたくらがそうやって盛んにアオるけど、オレはマスコミがアオり続けるうちは絶対にやらないよ(笑)。前田に限らず、藤波(辰巳)や武藤(敬司)もいずれ闘う時が来る。オレはリングの上で死ねれば本望だと今でも思ってるし」

 当時の世論は猪木から前田への世代交代という見方が優勢。当の“燃える闘魂”は時期尚早という認識だったが、時代の転換期が徐々に近づいていた。

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