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2021-06-06

【ボクシング】15日の日本ミニマム級戦、王者・谷口将隆、挑戦者・仲島辰郎とも必勝宣言

ともに計量パス日本ミニマム級戦に出場する谷口(右)と仲島

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 7日に後楽園ホールで行われるトリプルタイトルマッチの計量が6日に行われ、6選手とも合格した。日本ミニマム級タイトルマッチに出場するチャンピオン、谷口将隆(ワタナベ)、1位の仲島辰郎(平仲BS)、さらに東洋太平洋女子ミニマム級王座決定戦に出場の元WBCチャンピオン、黒木優子(YuKOフィットネス)がオンラインのインタビューに応じ、それぞれ必勝を誓った。

 谷口の口調にははっきりと余裕が感じられた。チャンピオンとして立つ初めてのリングとはいえ、WBOアジアパシフィックの元王者であり、世界挑戦の実績もある。昨年12月、王座決定戦で佐宗緋月(T&T)をTKOに破った一戦も危な気なかった。3月には同僚のWBAスーパー世界ライトフライ級チャンオピオン、京口紘人がアメリカで行った防衛戦に同行。「刺激だらけの日々でした」。いつか自分も、と意欲はさらに高まった・

 本来なら5月下旬のイベントに組まれたカードだが、新型コロナによる非常事態宣言の影響で会場が使えなくなり、2週間、延期された。それさえも「もっと突き詰めたいところがあって、その2週間、その部分を突き詰められたと思っています」とこちらも前向きにとらえている。

「相手は(初めてのタイトル挑戦で)めちゃくちゃ気合いが入っていると思うので、その気迫を呑み込んで。嫌がるところをついていきます」

 表現はおだやかでも、「力の差を見せる」とその真意が垣間見える。谷口にはそう言えるだけの実績もあるし、また力もある。また、秘密の策もあるという。

「まずはここに集中。しっかりと勝って先に進みたいですね」

 仲島にとっては1年半ぶりの戦いだ。ブランクはコロナのせいもあるが、故障もあった。両手を痛め、手術していた。拳の腱を断裂し、最初に右手、それから左手にメスを入れている。晩秋までリハビリに充て、それからタイトル戦へと準備を始めた。スパーリングは数えきれないほどこなしてきた。「200ラウンドは超えていると思います」。本格的にプロで戦い始めて8年。何が何でもタイトルがほしいから耐えられた。

「谷口選手はバランスがよく、ボクシングが上手。距離感覚が高く、ストレートパンチがよく切れます」。相手の強さはわかっている。予想が大きく谷口へと傾いているのも了解済み。それでも、決して負けていないものが自分にはあるという。

「気持ちです。それからスタミナと手数」。そしてタイトルをつかんで「ミニマムには僕がいるんだと気づかせたいです」。こちらの応答は、気迫丸出しだった。

 東洋王座をかけてプロ3戦目の千本瑞規(ワタナベ)と戦う黒木は2年2ヵ月ぶりの実戦になる。なかなか試合が組めない間に、区切りの30代を迎えている。「ジムに若い子が入ってくると、そうなんだと思うことはあります」と笑うが、もちろん、老け込んだつもりない。実際、女子ボクサーの最盛期は30代というのも世界の現実である。

「試合ができない間、新しいコーチを迎えて、体幹を徹底的に鍛えました」

 それまで体幹の強さはふつうの事務職女性並みだったという。思いどおりのフォームならいいパンチが打てても、ちょっとバランスを崩すと、それ以上の攻撃ができない。ブランク中にタッグを組むことになった元世界ランカーの金田淳一朗トレーナーの指導下で、その弱点を強化してきた。久々の試合はその成果を試す場にもなる。ただし、黒木にとっては内容とともに、結果も大事。

「復帰戦ということ、もう一度、“世界”に戻りたいというのもあるし、千本選手はまだ3戦目です。これからも対戦機会があると思うので、最初にちゃんと勝っておきたいんです」

 この戦いは、今後のキャリアの上でも大事な区切りと言葉に熱がこもった。

 なお、7日はこのほかに日本女子バンタム級王座決定戦、谷山佳菜子(ワタナベ)対平安山裕子(平仲BS)の6回戦も行われる。

写真◎ワタナベジム提供

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