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2021-06-25

【ソフトボール】「代表に入って、技術面はもちろん考え方の幅も広がりました」 東京五輪日本代表の川畑瞳(1)

笑顔がトレードマークの川畑瞳(撮影/斎藤豊)

五輪でのソフトボール競技は2008年の北京大会を最後に正式種目から除外されていたが、2020年東京五輪で追加種目としての採用が決まり、強化を進めてきた。ソフトボール・マガジンWEBでは、3大会ぶりとなる東京五輪で金メダル獲得を目指す15名の選手たちを、順々に紹介していく。

川畑瞳(デンソー/内野手)
積み重ねてきたものを自信に変えて(1)

東京五輪に向けて日本代表が本格始動したとき、 川畑瞳はまだあどけなさの残る20歳だった。先輩たちの背中を追い掛け続け、この6年でたくましく成長した。課題を一つ一つクリアし、つかみ取った東京五輪への切符。積み重ねてきたものを自信に変え、夢舞台でトレードマークの笑顔の花を咲かせる。(取材は4月28日、全文はソフトボール・マガジン7月号掲載)。

20歳の初選出から5年
心技体で大きく成長

──代表初選出は2016年。当時はまだ20歳でした。当時と比べて、自身で成長できたと感じる点はありますか。

川畑 技術面に関してはまだまだだと感じています。でも、守備では海外の選手との試合を重ねるうちに、いろいろな捕球の仕方を勉強することができ ましたし、バッティングに関しては宇津木(麗華)監督に一から指導していただきました。監督いわく、人間の身体は1日1日違うので、毎回同じ打ち方ではダメだということを教わりました。自分に合った打ち方を試しながら、これまで試行錯誤を重ねてきましたね。 代表に入って、技術面はもちろん考え方の幅も広がりました。

──思い返せば、デンソー2年目に三塁手から二塁手へ転向しました。

川畑 1年目のときはサードを守っていて、セカンドはたまに入るくらいだったんですよね。サードは反射神経がよくないとできないポジション。セカンドで一歩目をパッと切れるのはサードをやっていたからだなと実感してい ます。転向当初は、自信につなげるためにとにかくノックを数多く受けましたね。転向2年目くらいから、セカンドの守備もしっくりくるようになりま した。

──川畑選手が守備で大事にしていることは何ですか。

川畑 一番意識しているのはスピードです。特に海外のチームとの対戦では大事になってきますね。日本代表では、 同じポジションの市口(侑果、ビック カメラ高崎)さんとポジショニングや 打球の捕り方を確認しながら練習に取 り組んでいます。

──身体も以前と比べてガッチリして きた印象を受けます。

川畑 リーグ3年目までは細くて、打球もまったく飛ばなかったんです。ト レーニングコーチと話をしながら、まずはご飯の量を増やして、次にウエー トの重りを上げて身体づくりをしてきました。今では、みんなに大きくなったねと言われます。体重もすごく増えて、デンソーに入ったころと比べると10kg近く大きくなりました。飛距離も伸びたし、スイングスピードも上がった実感がありますね。そして身体ができてきた今は、スピード重視のトレーニングに切り替えています。

──宇津木ヘッドコーチ(以下HC) からは、どのような指導を受けていますか。

川畑 いろいろあり過ぎて……(笑)。一つ挙げるとすると、海外の投手やスピードのある投手を相手にするときは、力対力では絶対に勝てないので、いろ いろなポイントで打ったり、いろいろ な打ち方ができることが大事になって くると言われています。私自身、力で 打ちにいくと内野ゴロになってしまう 傾向があるので、バットの面で運ぶイ メージで打つように言われています(つづく)。

【川畑瞳PROFILE】
かわばた・ひとみ/1996年5月1日、鹿児島県生まれ。164cm66kg。右投左打。内野手。神村学園高-デンソー(2015年~)。シュアな打撃を武器に1年目からレギュラーに定着し、4年目の18年には自身2度目のベストナイン受賞(15年は三塁手)。日本代表には16年に初選出され、16年、18年と2大会連続で世界選手権出場を果たす。今季リーグ成績(5節終了時点):11試合、37 打席、5安打、1本塁打、5打点、2盗塁、打撃率.156

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