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2021-06-27

【日本選手権】熱すぎる男子3000m障害! 三浦は日本新、山口、青木も標準突破で3人そろって五輪へ!

転倒後に驚異のスパートで日本新をたたき出した三浦 写真/毛受亮介

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東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の第105回日本選手権。3日目の6月26日に行われた男子3000m障害は、今大会で初めて同一種目で3人がそろって五輪代表内定を決めるハイレベルなレース内容となった。

19歳の王者・三浦、さらなる進化の証し

 すでに東京五輪参加標準記録(8分22秒00)を破っており、今回の日本選手権は3位以内に入れば代表内定。しかし男子3000m障害の三浦龍司(順大2年)は自身の持つ日本記録(8分17秒46)を更新する8分15秒99で優勝を果たし、最高の形で代表の座を決めた。

 ラストスパートの切れでは群を抜くだけに集団の中で様子を見て、勝負所で仕掛ければよかった。だがこの19歳はそれを選ばず、スタート直後から先頭付近に位置取った。三浦も含め、先頭は何度か変わっていったが、1000mを過ぎてからは三浦ひとりが前に出てレースをつくった。



(左から)三浦、青木、山口の激しい争い 写真/毛受亮介

「最初の1000mを見て決めようと思っていました。ただ予想よりも遅かったので、“ここで行かないと”と。後ろで様子を見ている選手もいたので、リズムを変えることで自分のやりやすい展開になると思いました」

 このペースアップで先頭争いは徐々に絞られ、2000mでは三浦と青木涼真(Honda)、山口浩勢(愛三工業)の3人の戦いになった。しかし残り2周の中盤の水濠で三浦が着地時に転倒するアクシデントが起きる。青木、山口に先行を許すも立ち上がるや否や、猛然と前を追い得意のスパートをここから発揮。すぐに2人を抜き去るとラスト1周でその差を広げ、誰よりも早くフィニッシュして見せた。

「コケた焦りもあったので、残り1周よりも早くスパートをかけました。電光掲示板で後ろとの差を見ていたのですが、あまり離れていないのでそこからはがむしゃらに走りました」

 今回は勝負が重視される国内最高峰の日本選手権。ペースメーカーもいない中、自らがペースをつくり、転倒というアクシデントを乗り越えての日本新記録樹立という優勝劇でオリンピックの日本代表内定を決めた。潜在能力の高さ、今後への可能性を存分に見せつけた。

 東京五輪まで残り約1か月。この種目の第一人者として地元開催の大舞台に挑む。

「(8分)10秒前半を出して決勝に進むのが一番の目標です。認知度は上がっていますが、まだまだマイナーな種目。魅せる走り、盛り上がる走りをしたいです」

 試合の規模が大きくなるほど力を発揮する選手だけに、真夏の祭典でもスケールの大きな走りを期待できそうだ。

文/加藤康博

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