アメリカンフットボールの現役大学生選手が学校単位で参加する国内で初のフラッグフットボール競技大会「KCFA フラッグボウル 2021」が、6月26日に富士通スタジアム川崎で開催され、決勝で慶應義塾大学が早稲田大学を47-13で破り、優勝した。3位には法政大学が入った。
パスをインターセプトする慶大のDB菊池(右)=2021年6月26日、撮影:小座野容斉
一方の早大は、高岡勝監督の方針で、参加選手は全員2年生、WRなどレシーバー陣がディフェンスに入り、オフェンスにはDBが入った。QBは、高校時代、プライベートリーグでのプレー経験しかない萩野雄翔を起用した。Xリーグ・富士通のフラッグフットボールチーム「FFFC」でのコーチ経験もある高岡監督は、敗戦にも納得の表情。「いろいろと良い経験を積ませることができた」と話していた。
早大は、オフェンスにDBを起用。QB萩野は、高校ではプライベートフットボールでWRだったという=2021年6月26日、撮影:小座野容斉
◇ ◇
決勝以外の試合結果は以下の通り。
■1回戦 慶應義塾大学35-13立教大学、早稲田大学39-0東京大学、中央大学22-10杏林大学
■準決勝 慶應義塾大学34-6法政大学、早稲田大学25-12中央大学
■3位決定戦 法政大学21-13中央大学
■交流戦 東京大学19-19立教大学(じゃんけんにより東京大学の勝利)、杏林大学20-13東京大学、立教大学40-26杏林大学
今回の大会は、関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA、廣田慶理事長)が主催、早稲田大学、法政大学など、アメフトの強豪校に、下位エリアリーグ(4部相当)から杏林大学も加わり7校でのトーナメント戦、さらに敗退チームの交流戦を行った。後援は日本アメリカンフットボール協会で、日本社会人アメリカンフットボール協会も開催に協力した。
当初は、2日間で男女両カテゴリー、計40チームの参加を見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、男子7チームのみが参加エントリー。1日だけ、無観客での開催となった。 ルールは5人制を採用し、使用球は国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)ルールに基づいて、アメリカンフットボールと同じものを使った。
各大学のアメフト部OBが集うフラッグフットボールのチャリティ大会「ハドルボウル」を年に2回運営しているボランティアスタッフが全面的に協力。初めての大会だったが、遅滞やトラブルなどなく、円滑に進行した。
大会で活躍した選手らで関東学連選抜チームを結成し、7月24日に富士通スタジアム川崎で、12月にイスラエルで開催予定の世界選手権に出場する男子日本代表と試合を行う。
フラッグフットボールは、IFAFと、米国の競技統括団体「フットボールUSA」が、2028年の夏季五輪ロサンゼルス大会で、追加種目としての実施を目指している。五輪に次ぐ規模の世界的総合スポーツ大会、ワールドゲームズでも、2022年の米アラバマ大会でフラッグフットボールの実施が決まっている。
フラッグボウル初代王者となり、記念撮影する慶大のメンバー=2021年6月26日、撮影:小座野容斉
【小座野容斉】
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