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2021-07-11

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所8日目の一番】白鵬、照ノ富士とともにストレート給金

場所前は「進退を懸ける場所」と言われた白鵬だが、初顔の琴恵光を難なく退けストレートで給金を決めた

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白鵬(寄り切り)琴恵光

十両の優勝争いは、ただ1人全勝だった阿炎が敗れて、1敗で豊山、魁勝、阿炎の3人が並ぶ展開となった。

幕内は1敗の琴ノ若が軍配をもらったものの、物言いがつき行司差し違いで2敗目。投げの打ち合いで、先に左手をついていた。この相撲を見て、昔、父の琴ノ若が顔から落ちて額を擦りむいたとき、写真がほしいと頼まれたことを思い出した。「お父さんは顔から落ちたんだぞって息子に自慢するんだ」と言っていた。きっと部屋に帰って師匠に叱られているんだろうな。

さて、8日目に勝ち越しが懸かる2人だが、照ノ富士は動きの速い翔猿をよく見て、落ち着いて叩き込み8連勝。結びで白鵬が土俵に上がった。

相手は初顔となる琴恵光。白鵬は立ち合いでいつものように右から張って右足で踏み込む。すぐに左を差すと右上手も取って万全の体勢。琴恵光が右を巻き替えにきたところを一気に寄って快勝。勢い余って土俵下の枝川審判(元幕内蒼樹山)に激突したが、白鵬は大丈夫そう(親方は痛そうであった)。

51回目となるストレート給金を決めた白鵬はリモート取材で、「おめでとうございます」と声を掛けられると、「おめでとう……ですね。ありがとうございます。1つはクリアしたと思っていいのかな」とご機嫌。「6月初めの状態を考えると、今の姿は想像できなかったですね」と正直に答えた。

琴恵光とは初顔だったが、「稽古はつけたことがある気がします。まあ、組んでしまえばという感じかな。巻き替えにきたところをタイミングよく前に出られた」と振り返った。

敗れた琴恵光は横綱との対戦が初めてで、「横綱と対戦できてうれしかったです。思い出に残る相撲になりました」と語っていた。自己最高位の今場所、白鵬が出場していたからこそ横綱戦が実現できた。この機会を逃したら、横綱との相撲を経験できないまま引退する可能性もあっただけに、感無量の様子だった。まあ、照ノ富士が横綱に昇進するだろうが。

優勝争いは後続と2差がついて、完全にマッチレースの様相になってきた。照ノ富士について聞かれた白鵬は少し考え、「自分のことで精いっぱいです」。横綱としては8勝で喜んでもいられない。最後まで優勝争いを引っ張っていってもらいたい。

文=山口亜土

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