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2021-07-24

【陸上】「スポーツ選手に戻るのは嫌」と涙を流した寺田明日香がアスリートに戻るまで【連載#10】

東京五輪女子100mH代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)

陸上競技からの引退、結婚、出産、7人制ラグビーへの挑戦を経て、陸上界に復帰した女子100mハードルの寺田明日香選手。東京オリンピックでは日本女子短距離で57年ぶりのファイナルを目指しています。7月31日の女子100mハードル予選まで、陸上競技マガジンに掲載された寺田明日香選手の連載を毎日公開!
  
※このコラムは『陸上競技マガジン』2020年12月号に掲載されたものです。

人の評価が自分の評価だった時期

 たった3カ月間しかなかった2020年シーズン。走ったレースはなんと4大会計8本(うち、100m2本)しかありませんでしたが、そのなかでも悔しい思いをしたり、新たな発見があったりと、選手としては濃密なシーズンだったのではないかと思っています。

 一方、来年小学生になる娘を持つ母親としては、大変だったなぁ……(涙)。

 みなさんはどんなシーズンだったでしょうか?

 さて、今でこそママアスリートとして活動している私ですが、何度も書いてきた通り、第一次陸上選手期で引退したときは、絶対にアスリートに戻ることはないと思っていたし、「戻るものか」とも思っていました。

 その当時の私は、人になんて言われるか、人からどう見られるかをかなり気にしていて、そんなことを考えながら陸上競技をしていくことも、人の評価でしか自分を肯定できないことも嫌でした。

 私のなかで、スポーツは楽しむことではなく、「誰かに見られて評価されるもの」になっていました。

文◎寺田明日香 写真◎BBM

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