大会2日目/7月25日(日)
男子66kg級阿部一二三[パーク24]
ABE Hifumi
丸山城志郎との長く熾烈な代表争いを経て、晴れてオリンピック代表内定を手にした阿部。その濃密な経験が阿部を一回り成長させた。
丸山との代表決定戦から3ヵ月、シフトを“世界モード”に切り替えて挑んだグランドスラム・アンタルヤでは、これまでの自分主導の「有無を言わせず引っこ抜く」ような力強い担ぎ技に加え、相手をじっくりと見て戦う姿が見られた。そして決勝では、担ぎ技を警戒して腰の引けた相手を鋭い小内刈で仕留めてみせた。
破竹の勢いで世界を連覇した17・18年、厳しい代表争いをした19年、そして究極の代表決定戦を経て、阿部が目指す「圧倒的に前に出て、一本を取る柔道」がさらに厚みを増して完成しつつある。
悲願の「兄妹同日優勝」に向け、さらなる成長を遂げる。
◎阿部一二三の柔道スタイル前に出る突進力をはじめ、体をしならせで繰り出す豪快な投げが魅力。技とキレのある足技を駆使して戦うスタイル。
阿部一二三の豪快な技が見られるか(写真/IJF)Profile
あべ・ひふみ◎1997年8月9日生まれ/兵庫県出身/兵庫少年こだま会/神戸生田中-神港学園高-日本体育大-パーク24/168cm/右組み/得意技=背負投/17・18年世界選手権優勝、19年世界選手権3位、20年GSデュッセルドルフ優勝、21年GSアンタルヤ