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2021-08-31

【ボクシング】井岡一翔、ロドリゲスとも計量パス。9月1日、WBO世界スーパーフライ級戦

前日計量は無事に終了。井岡一翔の戦いは始まった

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 WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦(9月1日/東京都・大田区総合体育館)の前日計量は31日、12時から行われ、チャンピオンの井岡一翔(志成)、挑戦者のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)ともスーパーフライ級のリミット(52.1キロ)を下回り、決戦の準備はすべて整った。

 井岡はリミッぴったりで体重計を下りてきた。4階級制覇、V3を目指すチャンオピオンの責務として、それだけの調整をしてきた。それこそがこの数字に表れる。

「(プレッシャーが)ないというとウソになります。初めて経験する無観客試合。会場は関係者と戦う僕らだけ。そういう環境でも戦えることに感謝します」

 自分自身のコンディション、ファイトプラン作りはもちろん準備しきった。対戦相手の戦力、攻防パターンの全部を体にたたき込み、2021年9月1日仕様の井岡一翔して完成させている。だから、今さら多くの言葉は必要ない。

「テレビで見てくれるファンの人たちに、何かを伝えられる試合がしたいです」

 一方、ロドリゲスのほうは51.7キロと余裕をもって計量を終えた。「いつものこと」とロドリゲスは数値に頓着を見せなかった。7年前、IBF・WBOのミニマム級統一王者になったころは、大柄な最軽量級だったが、スーパーフライ級では小柄な部類に属する。自分より大きい対戦者をやり込めるなら、もっとも自分らしい動きができる体重設定が望ましい。そんな発想によるものなのだろう。

「緊張はしているが、それよりもタイトルを獲ることばかりを考えている。メキシコのボクサーは“戦士”。そんな戦いを皆さんに見てもらいたい」

 ロドリゲスの戦法はじっくりと距離をとり、右や左のビッグパンチを決めると、一気にスパークしていく。クロスレンジからパンチの種類、角度も豊富なコンビネーションパンチを、ときにサウスポースタイルに踏みかえながら、矢継ぎ早に繰り出してくる。スピード、カウンターの正確さで上回る井岡のパンチが、ロドリゲスがそんな仕掛けをする以前にはじき返していけば、スリリングな展開になったとしても無難な勝利につながるはず。ひとつのミスもなく本領が発揮できれば、この次こそ、井岡自身が望むビッグマッチに現実感が帯びてくる。

文◎宮崎正博 写真提供◎志成ジム

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