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2021-08-27

【ボクシング】V3戦目前の井岡一翔が練習公開。「無観客ても心は動じない」

「無観客でもやるべきことは同じ」と語った井岡

 WBO世界スーパーフライ級チャンピオンの井岡一翔(志成)は5日後に控える指名挑戦者相手のV3戦(対フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)/9月1日・東京・大田区総合体育館)を前に27日、オンラインで練習を公開した。練習前の記者との応答では、「無観客試合でも、やるべきことをやるだけ」と力強く語っている。

 試合当日、午後9時過ぎに開始予定の試合には、いつも応援してくれる熱心なファンはもちろん、家族もいない。新型コロナウイルス流行の中、東京都の非常事態宣言延長と同時に、無観客試合となった。4階級制覇チャンピオンにとっても、初めての経験になる。

「ある程度は予測していましたが、現実になるとイメージはわきません。観客の前で戦いたかったのは当然ですが、こういう状況下でも試合ができることに感謝しています」

 9月10日に京都で予定されていたWBC世界ライトフライ級タイトルマッチが、チャンピオンの寺地拳四朗選手(BMB)のPCR検査陽性を受け、延期が発表されたのは前日26日の夕方だ。

「今はだれが観戦してもおかしくない状況です。(感染する)可能性を低くするしか方法はありません。ぼくも自宅とジムを往復するだけでした」

 そんななかでも、準備はしっかりと進めてきた。体重もリミットまで残り3キロと問題はない。師匠であるアメリカ在住のキューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏の来日は難しいが、しっかりとコミュニケーションはできている。

「連絡を取り合って、ファイトプランを話し合っています」

 調整にはなにひとつ瑕疵はないという。

 インタビュー後に公開された練習では、リング中央に描かれた円を軸に入念に立ち位置を確認しながら、距離とタイミングを測るようなスローなシャドーボクシングを披露した。

 対戦するロドリゲスは7年ぶり世界王座復活を狙う29歳の元IBF・WBO世界ミニマム級チャンピオン。スーパーフライ級に定着して5年、14戦全勝11KO。満を持して挑んでくる。「(ロドリゲスは)いわゆるメキシコ(スタイル)のいいファイター」と評した井岡は、この日の正確なステップを当日のリンでは2倍速、3倍速で踏み固めて、勝利に突進していくに違いない。

文◎宮崎正博 写真提供◎志成ジム

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