アメリカンフットボール・Xリーグの最上位「X1スーパー」が9月4日、東西の2会場で開幕した。パナソニックインパルス対東京ガスクリエイターズの一戦は、パナソニックが東京ガスに圧勝した。
パナソニックインパルス○71-0●東京ガスクリエイターズ
(2021年9月4日、神戸市王子スタジアム) パナソニックが2年ぶりの関西開催ゲームで底力を見せ、東京ガスを文字通り粉砕した。
第1クオーター(Q)1分、東京ガスのオフェンスをパントに追い込むと、パナソニックLBジャボリー・ウィリアムスがパントブロック、セーフティーとなり先制した。
第1Q 5分にはQBアンソニー・ローレンスがエンドゾーンに走り込んでタッチダウン(TD)。この後 パナソニックオフェンスは、パントを繰り返し、もたついた場面も見られたが、第2Qに本領を発揮した。
第2Q1分、6分にRBミッチェル・ビクター ジャモ―が2本のTDラン。9分にはQBローレンスから巨漢レシーバーの西紋弘次に28ydのパスが決まってTDとなった。
パナソニックの勢いは止まらず、同10分にルーキーLB青根奨太が30ヤードのインターセプト(INT)リターンTD。11分にはRB横田惇のランTDで、このクオーターだけで5TD、35点を奪った。
パナソニックは手を緩めず、第3Q4分、6分にRB藤本拓弥のランで2TDを加えると、第4Qには2年目の若手QB荒木優也が2本のTDパスを決めた。
パナソニックは、荒木延祥監督が「今季は特にレベルが高い」と期待するルーキー軍団も活躍した。「ピック6」の青根を筆頭に、WRブレナン翼は27ヤードのビッグリターン、RB立川玄明は21ヤードのランと見せ場を作った。
オフェンスの成績は、トータルヤーデージがパナソニック412ヤードに対して東京ガス62ヤード。ファーストダウン更新はパナソニック23に対して東京ガスが3だった。
「ワトソンと互角の勝負を演じた男」練習不足で不発 東京ガスは、米カレッジフットボールの強豪バージニア工科大のエースQBだったジェロッド・エバンスを先発させたが、新型コロナの影響もあって、ほぼ練習ができずぶっつけ本番。WRとタイミングが合わず、落球が目立っただけでなく2INTを喫した。OLもパナソニックの強力DLに押し込まれ、エバンスを守ることができなかった。
【パナソニック vs 東京ガス】東京ガスの板井HC(中央右)とQBエバンス=撮影:佐藤誠 エバンスは、2016年シーズンにはパス3552ヤード29TD8INT、ラン846ヤード12TDという成績でバージニア工科大のシーズンパス記録を塗り替えた。チームを、所属するアトランチックコーストカンファレンス(ACC)の決勝まで導き、クレムゾン大学のQBデショーン・ワトソン(現テキサンズ、2020年のNFLリーディングパサー)と互角の勝負を演じたという逸材。ドラフト指名はなかったが、イーグルスのオフシーズンロースターやパッカーズのプラクティススクワッドにもいた経験がある。
過去に日本に来たQBとしては、デビン・ガードナー(ミシガン大→ノジマ相模原ライズ)、スカイラー・ハワード(ウェストバージニア大→オービック・シーガルズ)に匹敵する実績を持つ。
東京ガスの第2節の対戦相手は、「Big3」の一角、富士通フロンティアーズ。強力な対戦相手に対して、東京ガスオフェンスがエバンスを中心に、どれだけ立て直して挑めるのか。注目したい。
【パナソニック vs 東京ガス】第1O、パナソニックQBローレンスが右サイドライン側を駆け上がりTDー=撮影:佐藤誠