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2021-11-03

【NFL】チーフス辛勝 QBマホームズが下位のジャイアンツディフェンスに苦戦した理由とは

◇チーフスージャイアンツ◆ ジャイアンツのディフェンスに苦しんだチーフスQBマホームズ=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは現地11月1日(日本時間2日)に、ミズーリ州カンザスシティで第8週のマンデーナイトゲーム、カンザスシティ・チーフス対ニューヨーク・ジャイアンツの一戦があり、チーフスが試合残り1分で決勝のフィールドゴール(FG)を決めて、ジャイアンツに辛勝した。チーフスは、4勝4敗、ジャイアンツは2勝6敗となった。(写真はすべて Getty Images )

カンザスシティ・チーフス○20-17●ニューヨーク・ジャイアンツ
(2021年11月1日、アローヘッド スタジアム)

【得点経過】

チーフス 第1Q 残り6:12 WRタイリーク・ヒル6ヤードTDパス←QBパトリック・マホームズ (キック成功) 
4プレー13ヤード1:25 [0-7]

ジャイアンツ 第2Q 残り14:14 WRカイル・ルドルフ1ヤードTDパス←QBダニエル・ジョーンズ (キック成功) 
9プレー85ヤード4:02 [7-7]

チーフス 第2Q 残り6:37 RBデリック・ゴア3ヤードTDラン(キック成功) 
11プレー68ヤード5:46 [7-14]

ジャイアンツ 第2Q 残り2:45 Kグラハム・ガノ23ヤードFG
 8プレー86ヤード3:52 [10-14]

ジャイアンツ 第4Q 残り14:53 TEエバン・イングラム5ヤードTDパス←QBジョーンズ(キック成功) 
8プレー57ヤード3:34 [17-14]

チーフス 第4Q 残り8:53 Kハリソン・バトカー36ヤードFG
14プレー57ヤード6:00 [17-17]

チーフス 第4Q 残り1:07 Kバトカー34ヤードFG
 9プレー55ヤード3:34 [17-20]
◇チーフスージャイアンツ◆ 決勝となるFGを決めて喜ぶチーフスKバトカー(#7)=photo by Getty Images

4メンラッシュのジャイアンツ「閉じ込め」作戦にてこずる

 2年連続のスーパーボウル出場、チーフスが苦しんでいる。ジャイアンツのファンには申し訳ないが、今のジャイアンツは強くはない。そのジャイアンツと接戦となり、残り1分7秒でKバトカーのFGで辛うじて勝った。

 苦戦の原因の一つは、喪失ヤードがNFL29位、失点25位というディフェンスなのは、言うまでもない。だが、ディフェンスが弱いのはシーズン開始前からある程度は織り込み済みだったこと。

 ここ1カ月ほどの苦戦の原因はオフェンスの不振が大きい。開幕から4試合は平均33.5点を記録していたが、第5週以降の4試合は平均18.5点。QBパトリック・マホームズを中心にした、WRタイリーク・ヒル、TEトラビス・ケルシーという、NFL最強ともいえるパスユニットが機能しなくなっているのだ。
◇チーフスージャイアンツ◆ 思うようにオフェンスが進まず、表情がさえないチーフスQBマホームズ=photo by Getty Images
 
 カウボーイズに44失点、ラムズに38失点した、リーグ下位のジャイアンツディフェンス相手に、チーフスはてこずった。第1Q最初のオフェンスシリーズでは、QBマホームズがエンドゾーンでインターセプトを許したし、第3Qには、敵陣まで攻め込みながら、名手ケルシーがファンブルロストした。第4Qの2度のレッドゾーンでもTDを取り切れずにFGに終わった。

◇チーフスージャイアンツ◆ 第3Q、チーフスTEケルシーがファンブルロスト=photo by Getty Images
 ジャイアンツディフェンスは、この試合を通じてほぼ4人でパスラッシュをしていた。ブリッツをほとんど入れないか、入れる場合でもDLを3人に減らしていた。そしてマホームズにダイレクトなプレッシャーをかけるのではなく、チーフスのポケット全体を絞り込むように守った。

 マホームズはこの試合の被サックは2回、前半はゼロだった。その代わり、ポケットに閉じ込められ、強肩を生かすプレーがほとんどなかった。パスラッシュをかわし、動きながら強く長いパスを投げる得意な動きができなかった。ワイドオープンのケルシーを見落とす場面もあった。第4Qには、2本目のインターセプトとなるところをジャイアンツの反則によって助けられた。

 ジャイアンツは、前に人を配さない代わりに、プリベントディフェンスのように、ミドルからディープを7人でしっかり守っていた。さらにWRヒルをタイトにカバーして自由にさせなかった。ケルシーに対しても、人員を割いて守っていた。ケルシーのファンブルは複数の選手がタックルする中で起きた。

◇チーフスージャイアンツ◆ 徹底的にマークされたチーフスのWRヒル=photo by Getty Images
 チーフスの最も長かったパスは29ヤード。20ヤード以上のパスは2本しか決まらなかった。ケルシーのパスレシーブ計27ヤードは、7回以上ターゲットとなった試合の中では、キャリアの中で2番目に悪い数字だった。マホームズは7試合連続でインターセプトと、ワースト記録を更新中だ。

 打開策の一つはやはりランプレーだ。RBクライド・エドワーズヒレアーがインジュアリーリスト入りしたのが、今のオフェンスの不振につながったこともある。

 この試合では、2人のRB、ダミアン・ウィリアムズとデリック・ゴアのランが第2、3Qにはよく出ていた。インサイドのランブロックが良かったからだ。また、チーフスオフェンスの特徴は、ほぼ全プレーに繰り込まれているプレスナップモーションだが、WRミコール・ハードマンのモーションスィープで大きなゲインを得る場面もあった。記録上はパスだが実質的なランプレーだ。

 自身が天才肌のRBだったエリック・ビエナミーオフェンスコーディネーターの手腕の見せ所となる。

 チーフスのこの試合の課題は、もう一つある。反則の多さだ。12回で103ヤードの罰退は、とうてい許容できるものではない。

 問題が積み重なるなか、来週からパッカーズ、レイダース、カウボーイズとの3連戦が待っている。3チームとも地区首位で、特にオフェンスが好調だ。今日のような試合をしていては勝つのは難しい。名将アンディ・リードヘッドコーチはどのように打開するのだろうか。
◇チーフスージャイアンツ◆ チーフスのリードHC(右)とビエナミーOC(中央)=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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