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2021-11-10

【NFL】スターWRベッカムがFAに 父親のSNS投稿をきっかけにトラブル、ブラウンズから放出

ブラウンズから放出され、FAとなったWRオデル・ベッカム・ジュニア。もう、このヘルメットをかぶることはない=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFL屈指のスターWR、オデル・ベッカム・ジュニアが、クリーブランド・ブラウンズから放出され、現地11月9日に正式に、NFLのどのチームとも契約可能なフリーエージェント(FA)となった。

 ベッカムはアクロバティックなワンハンドキャッチを得意とするビッグプレーメーカーで、「OBJ」の愛称で親しまれてきた。今季第8週の試合が終わった後の父親のSNS投稿がきっかけで、所属していたブラウンズとトラブルになり、戦力外となっていた。

 NFL Networkのイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロによると、ベッカムはできるだけ早く新しいチームに合流したいと考えているが、その一方で決断を急ぐ考えもないという。1年と複数年、どちらの契約にも対応する意思があるという。

 ベッカムは1992年11月5日生まれで29歳になったばかり。ルイジアナ州立大学時代からWRとして活躍し、2014年ドラフトの1巡12位指名でニューヨーク・ジャイアンツに入団した。ルーキー年は負傷のため出場12試合ながら、パスレシーブ1305ヤード12タッチダウン(TD)という活躍で、オフェンスの新人王に選出された。

 なかでも、第12週のカウボーイズ戦で、マンツーマンのCBに腕をつかまれながらジャンプしてワンハンドキャッチで決めたTDが、「史上最高のパスキャッチ」として全米で有名となった。

 2016年には、NFL史上最速で通算200回レシーブと4000ヤードを達成した。

 2019年にブラウンズに移籍し、大学時代のチームメート、WRジャービス・ランドリーとコンビを組んだ。1年目こそ1035ヤードと実力を見せたが、昨季は7戦目でACL(前十字靭帯)を断裂する重傷を負ってシーズンアウト。復帰した今季も、6試合で232ヤードと実力を発揮できていなかった。

 第8週のスティーラーズ戦で、ブラウンズが10得点で敗れたが、ベッカムはこの試合で1回しかターゲットにならず、6ヤードのゲインにとどまった。その後、父親のベッカム・シニアが、編集したスティーラーズ戦の動画と共に、ブラウンズQBのベイカー・メイフィールドを「無能だ」と批判するSNS投稿。ブラウンズファンとしても有名なプロバスケ・NBAのレブロン・ジェームスもコメントする騒動となっていた。
 
 トラブルを受けて、ブラウンズのケビン・ステファンスキーヘッドコーチ(HC)は、ベッカムを練習に参加させず、戦力外とする考えを示していた。その後、ベッカムとブラウンズは、11月6日にトラブルについては和解。NFLの今季のトレード期限は過ぎていたため、ブラウンズが11月8日にベッカムをウェイバーすることを決めていた。

 ステファンスキーHCは、先週、地元クリーブランドのメディアに「こういう事態になったのは残念だ。お互いに不幸なことだと思うが、私たちは前に進まなければならない」とコメントしていた。

 ラポポートによると、ベッカムを入団させるためには、今季の年俸の残り725万ドルを支払う必要があるという。

【小座野容斉】

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