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2021-11-15

【相撲編集部が選ぶ九州場所2日目の一番】照ノ富士、驚異の粘り腰で先場所の雪辱

先場所敗れた大栄翔を退け、連勝とした照ノ富士

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照ノ富士(掬い投げ)大栄翔

先場所の9日目、全勝の照ノ富士に土をつけたのが大栄翔だった。強烈なノド輪押しで照ノ富士の上体を起こし、モロ差しの体勢から休まず前に出て金星を獲得。今場所は2日目に両者の対戦が組まれた。照ノ富士にとっては前半戦のヤマとなる一番。今場所も大熱戦となった。

立ち合い、頭から当たって突き起こす大栄翔。先場所同様にノド輪押しでのけぞらせようとするが、照ノ富士も下からあてがって許さない。照ノ富士が圧力をかけてじりじりと前に出たが、大栄翔も突き返して逆襲。左のノド輪で横を向かせると右を差して土俵際まで寄り詰めた。

ただ先場所と違っていたのは、大栄翔の左が上手になったこと。照ノ富士は弓なりになってこらえると、右のカイナを返して上手を切り、そのまま豪快に掬い投げで裏返しにした。

あと一歩で2場所連続の金星を逃した大栄翔は、「途中まではよかったんですけど、差してしまったのがダメでした。胸を合わせたら勝てないので、自分の甘さと言うか、直していかないといけない」と反省。

しかし、差したことよりも差されたことが一番の敗因だ。それでも最強の横綱を追い詰め、「自信になる相撲だったので、プラスに考えていきたい」と前を向いた。2日間の相撲を見る限り、調子はよさそうなので、今場所もかなりの活躍ができるのではないか。

危ない相撲をしのいだ照ノ富士は、「落ち着いて取れたかなと思います。ある程度余裕がないと、落ち着いて取れないので」と見た目よりも余裕があった様子。

先場所敗れたことで研究したかと聞かれると、「特にはしていない。自分の相撲を取り切ることしか考えていなかった。それを貫いてやるだけですから」と相手のことよりも自分のことに集中していた。

初日、2日目と手こずりながらの白星に「調子はどうか」と聞かれると、「終わってみないとわからないので、残り頑張りたいなと思っています」と淡々と答えた照ノ富士。3日目は若隆景と組まれた。平幕上位も何とか金星をと必死で向かってくる。楽な取組は一番もない。

文=山口亜土

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