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2021-11-17

【アメフト】アルゴノーツ佐藤、FGではなくパント指示に「本当に悔しい」 苦いCFLデビュー 

佐藤敏基がCFLデビューした、アルゴノーツ対エルクスはロースコアの接戦となった=photo by Getty Images

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 カナダのプロフットボール・CFL(カナディアン・フットボール・リーグ)、トロント・アルゴノーツの佐藤敏基(IBMビッグブルー)が、現地11月16日夜(日本時間11月17日午前)、レギュラーシーズン最終週の対エドモントン・エルクスで、初出場した。日本人の選手がCFLの公式戦に出場するのは5人目。

動画:フィールドを悠然と歩く佐藤敏基

 佐藤はパンター(P)とキッカー(K)を兼任、第4Qにはパントで「シングル」というカナディアン独特のルールによる得点を記録した。本業のKでは、キックオフを2回蹴ったが、フィールドゴール(FG)を蹴る機会は無かった。

最初のPAT失敗から良いリズムに立て直せず

 試合後、アメリカンフットボール・マガジン編集部の取材に対し、佐藤は以下のように語った。

「とにかく悔しいです。 フィールドに入った時も、チームメイトや日本から応援してくれる方々、そしてトロント現地で応援に来てくれた方々から本当に大きなパワーをもらって、そのおかげでポジティブなマインドで過度に緊張することなくフィールドに立てましたが、最初のPAT失敗から良いリズムに立て直せませんでした。」

「何よりもショートレンジでFGをコールされずにパントをコールされたのが本当に悔しかったです。 それでもこの結果を受け止めて、明日からまた一つずつ積み上げていくしか無いと思っています。 失敗の悔しさをバネに成長できるかがアスリートにとって1番大切なことの一つだと思っていますし、自分ならばそれができると信じています。」

イリーガルパント連発も、最後に一矢

 本拠地BMOフィールドでのCFLデビューは、佐藤にとってほろ苦いものとなった。第1Qにアルゴノーツが先制タッチダウン(TD)を挙げたが、佐藤はエクストラポイント(ポイント・アフター・タッチダウン=PAT)のキックを左に外して失敗する。その後のプレー機会は2回のキックオフを除いて、すべてパントとなった。


 本業ではないパントで佐藤は苦戦。第2Qには2回連続でイリーガルパント、ペナルティーを取られてしまう。佐藤は第3Qにもイリーガルパントを1回取られ、計3回のペナルティーとなった。

 アルゴノーツは正Kのボリス・ビーディーにPを兼任させており、プレーオフに備えてビーディーを休ませたこの試合では、佐藤はPとしてもプレーすることが決まっていた。シーズンを通じてパントの練習も重ねており、言い訳はできない。

 ただ、佐藤がそのままでは終わらなかったことは評価したい。第4Qには、60ヤードのロングパントで、エンドゾーンからアウトオブバウンズとなり、カナディアンフットボール独自のルール「シングル」で1点を記録した。アルゴノーツがこの試合、第2Q以降で記録した唯一の得点となった。

 前週でイースタンディビジョンの1位を確定したアルゴノーツは、アントニオ・ピプキンとコール・マクドナルドという3番手以下の若手QBを起用した。特にマクドナルドはハワイ大時代に2シーズン27試合で、パス8010ヤード、69TDを記録し、NFLのタイタンズからドラフト指名された逸材だったが、プロの世界は甘くない。2人で2インターセプトを喫するなどミスが続出、試合を通じて、オフェンスがなかなかドライブできず、佐藤がFGをトライする機会がなかった。第4Qには6点をリードされてしまったため、FGを狙う可能性が無くなってしまったのが残念だった。

 佐藤の記録は以下の通り
キックオフ2回118ヤード(最長60ヤード)
エクストラポイントキック32ヤード失敗
パント9回311ヤード、平均34.6ヤード、最長60ヤード、1シングル

 試合はアルゴノーツが7-13でエルクスに敗れた。

 アルゴノーツの次戦は、現地12月5日のイースタンディビジョン決勝。12月12日の王座決定戦グレイカップ出場をかけて、イースタン2位、3位の勝者と戦う。

【小座野容斉】

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