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2021-11-22

【相撲編集部が選ぶ九州場所9日目の一番】御嶽海、1敗守り勝ち越しを決める

御嶽海が右差しから左上手を引きつけて明生を寄り切り、1敗を守った

御嶽海(寄り切り)明生

横綱照ノ富士と大関貴景勝が無傷の連勝を続ける中、1敗で追うのは関脇御嶽海と平幕の阿炎の2人。9日目、御嶽海は明生との関脇同士の一番を迎えた。過去の対戦は御嶽海の4勝2敗で、この1年は2勝2敗と拮抗している。

立ち合い、先に手をついて待つ御嶽海。立ち上がると頭からいかず、モロ手突きから突き離した。明生も左差しを狙いながら突き返す。御嶽海が土俵際まで追い込んだが、そこから明生が押し返す。

御嶽海の右が差す形となり、明生が左上手を取ったが、御嶽海は右のカイナを返して上手を切り、左上手を引きつけて寄り切った。組んだら明生に分があるが、得意の左四つにさせず、腰も下りていたので、危なげなかった。

9日目で勝ち越しを決めた御嶽海は、「うれしいです。前に出ることを意識していった。前ミツを取られたら厄介だし、差されないようにモロ手突きでいった」と振り返った。

上手を取って寄った場面については、「相手の上体も起きていたので、瞬時に判断した。自然と体が動いた。今日はセンスのいい相撲を取ったんじゃないか」と自画自賛。九州場所では4年ぶりの勝ち越しとなる。

3日目の大栄翔戦で右目上を強打し、目の周りが青タンになっているが、「大丈夫です」ときっぱり。以前、目の上を切ったときには頭から当たれなくなり負け越してしまったが、影響はなさそうだ。勝っているとカッコよく見えると言われると、「ありがとうございます」とニヤリ。

「ここまで思った相撲が取れているので悪くないと思います。これから終盤に向けて大切になってくるので、1つでも白星をつなげられるように自分の相撲を取っていきます」と意気込みを語った。

実力的には次期大関候補筆頭で、期待しているファンも多い。「いつも期待させているだけなので、結果を出さないといけない」と気を引き締める。

優勝争いについては、「上の2人は負けないんじゃないか」と言いながらも、直接対決が残っている。今場所の目標は大関への足掛かりとなる二ケタ勝利だったが、3回目の優勝も狙える勢いだ。

文=山口亜土

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