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2021-11-18

【相撲編集部が選ぶ九州場所5日目の一番】正代、2敗目を喫し大きく後退

立ち合いから左を深く差した隠岐の海が、一方的に正代を寄り切った

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隠岐の海(寄り切り)正代

この3日間、大栄翔が負けた相撲ばかり取り上げていた。大栄翔には申し訳ないなと思いつつ、相撲内容がよく、上位力士と熱戦になっているので、調子は悪くないはず。この日は巨漢の逸ノ城を休まず攻めて押し出し、連敗を3で止めた。中盤以降、巻き返していくだろう。

5日目は初日に敗れたものの、2日目から好内容で連勝している熊本出身の大関正代を取り上げたい。最近は勝ち越すのがやっとの状態が続いているが、2年ぶりの地元九州場所で気合が入っている。この日の対戦相手はベテランの隠岐の海。過去の対戦は正代の6勝5敗と拮抗している。

立ち合い、胸から当たった両者。正代はほとんど踏み込めず、隠岐の海に左を深く差されてしまう。左から起こされ、右上手も取られた正代は、左掬い投げで抵抗したが威力はない。廻しに触ることもできず寄り切られ完敗を喫した。地元ファンのため息が聞こえてきそうな相撲だった。

ヒーローインタビューに呼ばれた隠岐の海は、「攻める気持ちで、挑戦者の気持ちでいい相撲が取れた。応援してくれる人に少しは恩返しができたかな」と笑顔を見せていた。

一方の正代は、「立ち合いで圧力を掛けられなかったし、上体が高かった。ケンカ四つなので、右を差したいというのを意識しすぎた」と振り返った。この3日間はいい立ち合いができていただけに、もったいない。

「最近は分が悪かったので意識してしまった」と言うが、最近は隠岐の海戦に連勝していた。そう感じるほど苦手意識があったのだろう。ネガティブな正代らしい。

「立ち合い当たれている相撲は内容がいいと思うので、今日のような立ち合いにならないように集中していきたい」と正代は気持ちを引き締めた。大関として初めて臨む九州場所、地元のファンのためにも、もう負けられない。

優勝争いは全勝だった御嶽海、北勝富士、佐田の海が敗れて、全勝は照ノ富士、貴景勝、阿炎の3人だけとなった。

文=山口亜土

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