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2021-12-04

【ボクシング】豊嶋がダブル王座防衛で「次のステージ目指したい」

2本のベルトを守り笑顔の豊嶋

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東洋太平洋とWBOアジアパシフィックのウェルター級王座を保持する豊嶋亮太(25歳=帝拳)は4日、東京・後楽園ホールで東洋太平洋同級5位の坂井祥紀(30歳=横浜光)とタイトルマッチ12回戦を行い、3-0の判定勝ちで両王座の防衛に成功した。

 開始とともにペースを奪いにかかったのは坂井だ。端正なフォームからジャブを間断なく突いては、角度のいい右アッパー。10年に及ぶメキシコ修行で磨き抜いた技術を駆使して、好スタートを切ったかに見えた。しかし、過去のスパーリングで坂井の巧さとフィジカルの強さは織り込み済みだったという豊嶋は、3回から流れを強引に引き寄せる。接近戦に持ち込んで坂井のジャブの伸びを封じ、ディフェンスのいい坂井に対して「空いてるところに打って制圧する」という作戦どおり、左ボディブローを立て続けに決めていく。

 5回終了後の公開採点で1~5点のビハインドを知った坂井は、さらに手数を増して攻めるが、徹底してボディを攻めてくる豊嶋の重厚なプレスを止められない。10回にはボディへの高速連打を繰り出して抵抗したが、最終回は豊嶋の強烈な左フックを続けて被弾。判定はジャッジ3者が4~6ポイント差で王者を支持していた。

 初タイトル獲得、王座統一、そして防衛と、2021年は大きな飛躍を遂げた豊嶋。「ラストの左フックをしのいでくるとは…」と坂井のタフネスに驚き、「本当に全試合が経験。今日の内容ではおこがましいが…」と反省を込めながらも、2022年は「さらに次のステージ、世界を目指せるようになりたい」と力強く宣言した。豊嶋の戦績は18戦15勝(9KO)2敗1分。4月の日本王者・小原佳太(三迫)への挑戦に続いて善戦及ばなかった坂井は、41戦26勝(14KO)13敗2分。

文/藤木邦昭 写真/菊田義久

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