メキシコ、アメリカでキャリアを積んできた坂井祥紀(横浜光)は31日。東京・新宿フェイスで行われたウェルター級8回戦で、日本同級7位、重田裕紀(ワタナベ)に判定勝ちを収めた。坂井は2010年、メキシコでプロとなり、これが日本国内では初の試合だった。
上写真=うまくクロスレンジをつき、たくみに連打をまとめる坂井(右)
今どきの日本、こういった『強さ』を持つボクサーはなかなかお目にかかれない。失礼ながら、坂井には抜群のスピードやパワーがあるわけではない。際立つハイセンスも、一見しただけでは見当たらない。
この男にあるのは、展開から対戦者の弱味をごっそりとつかみだし、そのまま自分の流れへとねじ込んでいく、その力だ。長所短所を読み取ると、自分のサイズでできる戦法を選びとって、そのまま戦いに刻みつける。経験10年、11敗(36戦23勝13KO2分)もしながらも、身につけた経験。そして、これまで一度もダウンしたことがないというタフネスはもとより、決定打は決して打たせないディフェンス力があって、初めて実戦にデコレーションできる年輪の厚みである。
対した重田は同じ29歳で、3年前の全日本新人王。長身のサウスポースタイルから放つ左ストレート、右フックには切れがある。だが、この日がわずか9戦目(6勝3KO1敗1分)。坂井とは役者が違っていた。
もともと出足が悪いという坂井は初回、重田の長いパンチに後手を踏む。「初回はリラックスにあてた」というが、2ラウンドも重田の動きを追いかけきれなかった。そこで坂井が選んだのは、一目散のギアチェンジだ。3ラウンドから、次々に連打を重ねていく。
体の位置や傾斜を微妙に変えたり、攻め込む間合いに緩急をつけたりの実戦技術で、坂井はあっさりと接近戦に引き込んでいく。重田はもう逃げられなかった。上下の打ち分けこそ乏しかったが、多彩な角度で打ち込む4発、5発のコンビネーションを連発する。重田はラウンドを追うごとに単発になり、またたく間に大きなポイント差がついた。
「ネットでのライブ配信もあって、(日本のファンに)見られているのがうれしかった」と坂井。その分、かたくもなったというが、日本のライバルにとっても、大きな『難関』になりうる戦力は見せた。
「まずは日本、東洋太平洋から。そして、皆さんに認めてもらってから世界に行きたい」
世界王座挑戦経験を持つアシュリー・テオフェン(イギリス)にラスベガスの地で勝ったのは3年前。その後は新鋭、中堅強豪相手に4連敗を喫した。それでも、自分はもっと強くなれると坂井は信じている。
前座のスーパーライト級6回戦には、7連勝不敗6KOの佐々木尽(八王子中屋)が登場し、赤岩俊(マナベ)にいきなり左フックを強打する。天を仰いで倒れ込んだ赤岩は立ち上がったものの、レフェリーはそのままカウントアウトした。タイムは45秒だった。
佐々木の豪快な左フック。赤岩はこのまま倒れこんだ
文◎宮崎正博 写真◎菊田義久
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