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2021-12-07

【ボクシング】どんな戦いも自分を見失ってはいけない。最終調整中の井上尚弥が“自分流”貫徹宣言

「相手がどうとか、誰とかではなく、決まったこの試合を見てくれるファンが、何か感じてもらえればなという思いで自分はリングに上がります」

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 14日、東京・両国国技館でバンタム級王者として通算6度目防衛戦(対戦者はアラン・ディパエン=タイ)のリングに立つ、WBAスーパー・IBF世界同級チャンピオンの井上尚弥選手が7日、大橋ジムで練習した。シャドーボクシング、サンドバッグ打ち、ドラムミット打ちなどで汗を流した井上は、直前インタビューにも答えている。

120%に仕上げれば、その試合はクリアできる

──試合まで1週間です。

井上
 かなり良い状態で仕上がっていると思いますよ。ここ2戦は試合が行われたアメリカでの調整が続いたので。やっぱり日本でのほうが勝手がききますし。

──すでにホテルに宿泊していると聞いていますが。

井上
 いつもと一緒です。1ヵ月前からです。家族と会うのは週1くらいですね。

──家族の顔を見るとモチベーションが上がるりますか。

井上
 もう試合に集中しているので、まずはしっかりと勝ってから(家族と)会うのが一番なのかなと思います。

──今回の試合、相手どうこうと言うよりより心身ともども、自分自身との戦いなりますか。

井上
 そうですね。こういう試合のときに限って、やっぱり自分を見失っちゃいけないなと思います。やっぱり周りの評価とか、予想とか、そういう声に流されるんじゃなくて。1ポイントも取らせないで判定勝ちっていう気持ちを常に持つ。その中で流れがくれば倒すっていうボクシングを心がけて、いつもやるだけなんで。相手が誰であろうとも(その姿勢は)崩さないようにしようと思います。

──そういう意識をもって戦っているのは、いつからですか

井上
 それは前からですよ。相手がどうのこうのじゃなく、自分がしっかりと120%仕上げることができたら、その試合は絶対にクリアできると思っているので。やっぱり自分の状態が一番大事。相手が強くても。相手の研究よりまず先に、自分が仕上げなければ話にならないので。

──ディパエン選手の研究はどれくらいしたのですか。

井上
 毎回は研究はしていないですよ。ノニト・ドネア戦のときもそうですけど、研究っていう研究はしていないです。

──すべてはリングに上がって相手と向き合ってからですか。

井上
 そうですね。そこが一番です。

ファンの期待を背負って戦う

──今の仕上がりには自信はありますか。

井上
 もう仕上がっています。ここまできたら残りの1週間は気持ちを上げることはないですね。このまま平常心に持っていきます。

──今回の試合は今までに比べても、周囲から楽勝ムードが聞こえてきています。

井上
 自分は組まれた試合をどうこなして、見てもらったファンに何を伝えられるかというのが、一番かなと思います。相手がどうとか、誰とかではなく、決まったこの試合を見てくれるファンが、何か感じてもらえればなという思いで自分はリングに上がります。それを楽しみに、会場に来てくれるファンもいますし、今回はPPV(ペイパービュー)を買って、楽しみに待っていてくれるファンもいるわけなので。そういうファンの気持ちを背負って、2年ぶりの日本のリングに上がりたいなと思います。

──年末の世界戦がコロナで延期や中止になって、注目度がより上がっています。

井上
 それに関しての使命感はないです。自分は12月14日に決められた日にやることをやるだけなので。年末の試合を楽しみにしていたファンの方たちは、その試合がなくなったから、自分の試合が今年ラスト(の世界戦)だっていう気持ちは強いでしょうけど。自分は自分の試合をこなすだけです。

──ライバルとされるドネアとジョン・リエル・カシメロの試合も直前にあります。

井上
 もちろんそこは注目しますよ。(12日には)もう練習も上がっているので、ドネアの試合は生で楽しもうかなと思っています。

──減量はあと何キロですか。

井上
 あと4キロを下回っているぐらいなので、順調です。

──チケットが完売になりました。

井上
 すごくありがたいですね。(新型コロナウイルスは)まだまだ油断できない状況ではありますけど、その中で会場に足を運んでもらえるっていうのは、やっぱりうれしいです。感染対策とかそういうのに気をつけながら、楽しんでもらえれば、14 日の興行が成功するかなと思う。そこを気をつけてもらって、自分が最高の結果を出せれば、今年は最高の1年で終われると思うので、いろいろ楽しみですね。

記事・写真提供◎大橋ジム

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