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2021-12-09

スマイルスポーツ・アスリートインタビュー 三浦龍司(陸上) 歴史を塗り替え続ける超新星!

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東京2020オリンピックで結果を残した三浦選手は順天堂大学所属の19歳。3年後のパリオリンピックに向けて今後も目が離せない(photo/Smile Sports)

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三浦龍司選手は、東京2020オリンピックの男子3000メートル障害(3000mSC)にて、日本人選手として49年ぶりに決勝進出、見事日本人史上初となる7位入賞を果たした。走るたびに記録を伸ばし、歴史を変えた19歳に、これまでのレースの思い出や、これからの目標をスマイルスポーツのインタビューで語ってもらった。

3000メートル障害(以下、3000mSC)は、陸上競技の中でも極めて肉体的負担の大きい種目の一つ。3000メートルという比較的長い距離を走りつつ、約80メートルおきに設置された障害物を跳び越えるため、心肺機能と合わせて、筋肉にかかる負荷も大きい。ハードな種目であるがゆえ、体格差や身体能力の違いから、これまで日本人選手は苦戦を強いられてきた。

そんな3000mSCで世界と渡り合える力を証明したのが三浦龍司選手だ。長距離を得意としていた彼が、この種目に取り組み始めたきっかけは、小学生の時から指導を受けていた浜田JASの上ヶ迫先生の勧めだった。

「自分は元々、長距離が好きでした。それにプラスして跳躍種目をやっている時にバネがあったということで、3000mSCが向いているのではないかと勧めてもらいました。ただ、自分はこの種目があることも知らなくて、高校生になって初めてレースに出たときは、スピードを保ちながら障害を跳んでいく怖さがありました。それに加えて水濠という大きな障害もあったので、凄まじい競技をやっているなというのが第一印象でした」


3000mSCの第一印象は「凄まじい競技」と語る三浦選手(photo/Smile Sports)

2021年に入ると5月9日に新国立競技場で開催された東京2020テストイベント「READYSTEADYTOKYO」で、8分17秒46の日本記録で優勝を飾るとともに、オリンピック参加標準記録を突破。続く6月26日の日本陸上競技選手権大会では、転倒のアクシデントがありながらも、自身が持つ日本記録を更新する8分15秒99で優勝。走るたびに日本記録を更新する勢いを持って、初めてのオリンピックへと臨んだ。

「無観客ではありましたが、オリンピックであることには変わりなく、世界陸上やダイヤモンドリーグで見ていた選手たちと走ることになったので、大きな刺激を受けることができました」

陸上を始めた時から走るのが好きで、一度も嫌になったことはないという天性のランナーは、大きな舞台になればなるほど大きな力を発揮する。三浦選手は初めてのオリンピックで世界に大きな驚きを与えた。

予選にて終始レースをリードする走りを見せ、日本記録を大幅に更新する8分9秒92の2着でゴールして決勝進出。これは日本人選手としては49年ぶりの快挙だった。さらに決勝ではタイムこそ予選を下回ったものの、粘りを発揮して3000mSCでは日本人史上初となる7位入賞を果たした。

「嬉しさと悔しさの両面がありました。8分9秒というタイムを出せた嬉しさがあった一方で、最後は国際レースの流れに対応できず自分の走りができなかった。ただ、東京オリンピックを経験できたことで、自分と世界の差を現実として肌で感じることができたのは大きな収穫でした」


初出場のオリンピックで堂々たる走りを見せた三浦選手。日本人初となる入賞を果たした(photo/JMPA)

世界と闘う手応えはありつつも、浮かれた様子は一切なし。誰もがたどり着いたことがない高みを目指す三浦選手にとって、今回の結果はあくまでも通過点に過ぎないからだ。

「パリまで3年かけて世界陸上などで国際大会慣れしていくと思いますし、技術的にもまだまだ改善の余地はあるので、個人的には強気な目標を持っていきたい。現段階での一番の目標はパリオリンピックで金メダルを獲ることです」

オリンピック7位の快挙もすでに過去のこと。その目はもう3年後に向けられている。どんな障害があっても乗り越えてパリオリンピックへ。三浦選手はレースさながらの力強さで夢への道を走っていく。


こちらのインタビューのほか、過去のレースの振り返りや、3000mSCにかける思いなどカラー2ページにわたるインタビュー全文は、12月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツVol.88』に掲載されています。

 
みうら・りゅうじ
2002年2月11日生、島根県出身。洛南高校を経て順天堂大学に進学。2021年5月、新国立競技場で開催された「READYSTEADYTOKYO」にて3000mSCで8分17秒46の記録で優勝。18年ぶりに日本記録を更新した。8月の東京2020オリンピックでは、予選で8分9秒92と日本記録を更新して決勝進出。決勝ではこの種目では日本人初となる7位入賞を果たした。

 


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スマイルスポーツ誌のインタビュー特別編!
三浦龍司選手の素顔が分かるQ&Aインタビュー動画と読者の皆様へのメッセージはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=UswCOLVNmSE&t=19s

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