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2021-12-11

【アメフト】今年のハイズマンは誰の手に?4人のファイナリストを紹介

2021ハイズマンファイナリスト。(左から)QBピケット、QBヤング、DEハッチンソン、QBストラウド=photo by Getty Images

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 米カレッジフットボールの年間最優秀選手に贈られる「ハイズマントロフィー」は、12月11日(日本時間12日午前)に発表される。今年のファイナリストはアラバマ大学QBのブライス・ヤング、オハイオ州立大学QBのC.J.ストラウド、ミシガン大学のDEエイダン・ハッチンソン、ピッツバーグ大学QBのケニー・ピケットが選ばれた。(写真はすべてGetty Images)

アラバマ大QBとして初受賞狙う


  アラバマ大のヤングは2001年7月生まれの20歳で、ソフォモア(2年生)。高校通算でパス13520ヤード、152タッチダウン(TD)という実績を残して、QBとしては全米トップの評価でアラバマ大に進学した。フレッシュマン(1年生)だった昨年は、マック・ジョーンズ(現ペイトリオッツ)の控えとしてサイドラインで学び、今季から満を持して先発。今季13試合でパス314/462、68.0%、4322ヤード、43TD、4インターセプト(INT)。ランでも31ヤード3TD。183センチ、88キロと、華奢な体格ながら、強肩と正確無比なコントロール、さらにゲームの勘所を知り尽くしたクオーターバッキングで活躍してきた。
 アラバマ大初のQBとしてのハイズマン受賞を狙っている。下馬評では、受賞が最有力視されている。

史上2人目のディフェンス・ハイズマンか


 対抗馬のミシガン大DEハッチンソンは2000年8月生まれの21歳で、シニア(4年生)。ミシガン州の出身で、父もミシガン大のLBとして活躍した。高校時代に全米オールスターの「オールアメリカンボウル」で2サックを挙げて注目された。ミシガン大に進学後は2年時に68タックル4.5サックで中心選手となったが、3年時には負傷でシーズンを棒に振ったが、4年生の今季は14サック、55タックルの活躍。サック数はミシガン大のスクールレコードを更新した。198センチ。120キロとDEとしては理想的な体格。ペンシルバニア州立大戦、オハイオ州立大戦では1試合3サックと、大一番で勝負強さを見せるのも魅力だ。先輩のチャールズ・ウッドソン以来、史上2人目のディフェンス選手としてのハイズマン受賞を狙う。


2年後のドラフト全体1位の声も


 オハイオ州立大のQBストラウドも魅力的な選手だ。2001年10月生まれで、20歳になったばかりのレッドシャツフレッシュマンだ。トゥルーフレッシュマンだった昨年は、ジャスティン・フィールズ(現ベアーズ)の控えとして学び、今季から先発に昇格した。191センチ、99キロと体格に恵まれ、今季は11試合でパス280/395、70.9%、3862ヤード、38TD、5INT。レーティング182.2はアラバマ大のヤングも上回る。5TDパス以上の試合が4回と爆発力も持っている。気の早いメディアは再来年、2023年のNFLドラフト全体1位としてプッシュしている。

「新型コロナ」で1年延長し、大化け


 ピッツバーグ大のQBピケットは、1998年6月生まれ。カレッジフットボール5年目の4年生だ。同大としては、2003年のラリー・フィッツジェラルド以来のファイナリストとなった。NCAAは、新型コロナウィルス感染症で影響を受けた選手への配慮として、現役のエリジビリティ1年延長を認めたが、ピケットはこれに応じて、5年目のシーズンをプレーする選択。これが吉と出た。昨年までは、大型で堅実だが、決定力に欠けるパサーとして「その他大勢」だったピケットが今季、大化けした。パス334/497、67.2%、4319ヤード、42TD、7INT。他校の有力QBがそろって成績を落としたり降格されたりする中で、株が上昇し、来年、2022年ドラフトでは上位指名もあるとされている。

ハイズマントロフィーとは?

 ハイズマントロフィーは1935年に始まり、今年で87回目。

「卓越したパフォーマンスを誠実に追求してきたことを最もよく示す優れた業績に贈られる。受賞者は、優れた能力と、勤勉さ、忍耐力、努力を兼ね備えていることを象徴している」とされている。日本では、1973年に受賞したペンシルバニア州立大RBジョン・キャパレッティの実話をもとにした映画「ジョーイ」で有名となった。

 全米で資格を持つ記者(145人×6地域)と、過去の受賞者の中で存命者(今年は57人)の投票によってきまる。投票者は、1位(3ポイント)、2位(2ポイント)、3位(1ポイント)の順を付けて投票する。また、ハイズマントロフィーの現在のメーンスポンサー(正式にはプレミアムパートナー)は日産で、日産の1票は、同社がファン投票の結果を反映させている。

 ポジション別では、大半はQBが受賞、次に多いのがRBだ。WRは昨年のデボンタ・スミスが29年ぶりに受賞した。直近20年のポジション別受賞者はQB16人、RB3人、WR1人となっている。

【小座野容斉】

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