カナダのプロフットボールCFLは12月12日(日本時間13日)、オンタリオ州ハミルトンで、今季の王座決定戦、第108回グレイカップを開催した。ウエスタンディビジョン1位のウィニペグ・ブルーボマーズ(11勝3敗)と、イースタンディビジョン2位のハミルトン・タイガーキャッツ(8勝6敗)が対戦し、ブルーボマーズが延長オーバータイムの末にタイガーキャッツを破って優勝した。CFLは2020年シーズンは中止となったが、ブルーボマーズは2019年シーズンも優勝しており、3年越しのグレイカップ連覇となった。この時の対戦相手もタイガーキャッツだった。(写真はすべて Getty Images)
ブルーボマーズには、OL町野友哉(富士通)、LB丸尾玲寿里(アサヒ飲料)と、2人の日本人選手が在籍しているが、2人とも現在はプラクティスロースター(練習生枠)のために出場は無かった。
グレイカップ最多26回目の出場のブルーボマーズは、12回目の優勝。1958年に合併によって現在のCFLが誕生して以降では、15回出場して9回目の優勝となった。今季はリーグ最高の11勝3敗、最多得点、最少失点を記録していた
CFL王座決定戦 第108回グレイカップ
ウィニペグ・ブルーボマーズ○33-25●ハミルトン・タイガーキャッツ
(2021年12月12日、オンタリオ州ハミルトン ティム・ホートンズ・フィールド)
前半はタイガーキャッツが10-7とリードし折り返した。第3Qになってもタイガーキャッツの勢いは止まらず。22-10と12点差で、第4Qに突入した。
ブルーボマーズはQBザック・コラロスのTDパスや2本のFG、さらにカナディアンフットボール独特の得点法である2本のシングルなどで、15点を奪って逆転、25-22とリードした。タイガーキャッツも粘って、残り6秒でFGを決めてグレイカップでは史上4番目(過去3回は1961、2005、2016年)の延長戦へ。
CFLのオーバータイムは、NCAAルール(日本のアメフトも同じ)のタイブレークと同じで、両チームに同じ回数のオフェンスが保証されている。またTD後のエクストラポイントは2ポイントコンバージョンと決まっている。
オーバータイム最初のオフェンスでブルーボマーズはQBコラロスが13ヤードのTDパスを決めた。2ポイントコンバージョンも決めた。
8点差を追うタイガーキャッツだったが、QBジェラマイア・マソーリが投げたパスは複数の選手の間でバウンドした後、ブルーボマーズのディフェンス選手がインターセプト。劇的な幕切れとなり、ブルーボマーズに栄冠がもたらされた。
グレイカップMVPには、ブルーボマーズのQBコラロスが選ばれた。コラロスは、今季レギュラーシーズンのTDパスリーダーで、CFLの最優秀選手(MOP、モストアウトスタンディングプレーヤー)にも決まっており、3重、4重の喜びとなった。
タイガーキャッツのQBマソーリは、オレゴン大学時代にはチップ・ケリーHCの指揮下で活躍したQBだった。この試合は途中から出場していた。
◇
ブルーボマーズが前回、2019年にグレイカップで勝利した時に、QBコラロスとプレー機会を分け合ったデュアルスレットQBのクリス・ストレベラーは、その後NFLに転身し、アリゾナ・カーディナルスと契約。第3QBを務めた後、今季11月下旬に放出された。現在はボルティモア・レイブンズの第3QBとなっている。
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