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2021-12-21

【箱根駅伝の一番星】OBの持つ区間記録更新へ 中央学院大学・吉田光汰が「ゲームチェンジャーになる」

吉田はしぶとい走りでチームの流れを変えることを誓う(写真/井出秀人)

陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。2年ぶりに箱根路に戻ってきた中央学院大は、2015年から5年間守り続けたシード復権に挑む。中央学院大で箱根路を2回経験している4年生は、予選会日本人1位の栗原啓吾と吉田光汰(共に4年)の2人だ。吉田は、今季の全日本大学駅伝で7区を担いチーム内区間最上位の7位。最後の箱根にすべてをぶつける。

中央学院大らしいしぶとさを見せる

 1時間08分01秒。2008年大会で中央学院大の篠藤淳(現・山陽特殊製鋼)が9区で樹立した区間記録は、箱根駅伝の歴史にさん然と輝いている。10年以上、記録が更新されていないのは裏のエース区間である9区と1区(佐藤悠基/当時、東海大)のみ。その9区を視野に入れて準備を進める中央学院大の吉田光汰(4年、拓大紅陵高・千葉)は、誇らしげに言う。

「OBである篠藤さんの記録は、破られそうで破られていません。前回大会も創価大の石津佳晃選手が区間新ペースで走っていましたが、終盤で失速しました。最後のラスト3kmでみんなきつくなるんですよ。篠藤さんはそこからが速かった。やっぱり、あの区間記録は僕らが塗り替えて、また中央学院大の名前を残さないと」

 すでにコースレイアウトはインプット済み。目指すのはOBが持つ大記録の更新と区間賞だ。目標のシード権を狙う上で復路の重要区間になることも自覚している。特別にスピードがあるわけではないが、粘り強さでは誰にも負けるつもりはない。

「これといった武器はありませんが、根性はあります」

 川崎監督が復路の後半区間に求める要素も備える。悪条件を苦にせず、タイムを刻んでいく。そして、何よりも4年生としての気概を持ち、奮闘を誓う。2大会前、4年生で主将を務めた有馬が9区で区間2位と力走した活躍をイメージしている。

「有馬さんのような走りを見せたいです。すごくカッコよかった。感動して鳥肌が立ちました。あれこそ、4年生が後輩たちに見せるべき姿だと思います」

 1年時は7区で区間16位、2年時も同区14位と苦しみ、前回大会はまさかの予選落ち。悔しさを味わうだけの箱根で終わらせるつもりはない。最後の大会ですべてぶつけ、シード権の確保に意欲を燃やす。

「どのような順位でタスキをもらっても、僕が流れを変えたい。ゲームチェンジャーになります。箱根では中央学院大らしい、しぶとさを見せたいですね」

 1月3日の復路は、勝負の9区から目が離せない。


経験豊富な吉田(写真)と栗原の4年生コンビがシード復権へ向け、活躍を誓う(写真/中野英聡)

よしだ・こうた◎1999年10月13日、千葉県生まれ。天羽東中→拓大紅陵高(共に千葉)。171cm・51kg、A型。大学1、2年時は大学駅伝すべてに出走。昨年は駅伝への出場はなかったものの、5000mとハーフで自己記録を更新している。自己ベストは、5000m14分10秒39(2020年)、10000m29分15秒02(19年)、ハーフ1時間03分21秒(20年)。

文/杉園昌之 写真/井出秀人、中野英聡

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