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2021-12-23

【箱根駅伝の一番星】「自分が復路の流れをつくる」3年目の初挑戦に燃える国士舘大・福井大夢

福井は予選会で日本人チーム内3位となる好走を見せた

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陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。6年連続50回目の出場を決めた国士舘大学。経験豊富な4年生が主軸のチームだが、今季1500mと10000mで自己ベストを出している福井大夢(3年)の成長がチームを大きく支える。キーマンであるという自覚を持ち、自身の快走で32年ぶりのシード権獲得を目指す。

山下りに憧れて

高校時代からずっと山下りに憧れていた。一気にスピードに乗って、ぐんぐんと箱根の山を駆け下りていく姿に思いを馳せ、福井大夢(3年)は国士舘大に入学した。

そして、3年目でようやく念願のスタートラインへ立つ。予選会ではチーム内日本人3番手。11月には10000mで29分17秒51と自己ベストも更新。本戦に向けて、胸は高鳴るばかりだ。

「1年生のときから希望していた6区で、区間5位以内で走りたいです」

前年度の失敗を糧に余裕を持って練習をこなし、万全のコンディションで臨むつもりだ。昨年は箱根駅伝のメンバー入りできるかどうか不安で仕方なかった。

予選会はチーム10番手。ボーダーライン上の選手であることを意識するあまり、無理を重ねて故障を招いてしまった。

大会直前に控えて、自ら離脱することほど悔しいものはない。

「前回は調整段階でミスをしてしまいました。今年度は8割程度の力で練習しながらもいい調子を維持できています。レースもほとんど外していません」

国士大6区最高記録を視野に

言葉には充実感がにじむ。6区を走るための準備もしてきた。前回大会で6区区間9位と好走したOBの曽根雅文(現・JR東日本RT)とは、1年時から一緒に下り坂の練習をしてきた。

当然、箱根の走りもチェック済み。ポイントの通過タイムはすべてメモしている。OBの先輩に敬意を払った上で、はっきりと言う。

「6区のコース内でも上り坂は、僕のほうが強いと思います。今回、曽根先輩の国士舘大区間最高記録(59分00秒)は抜くつもりです」

目標タイムは58分30秒。気温が低下することも折り込み済み。寒さ対策も抜かりはない。コースはすでに完璧に頭に入っており、綿密なプランも立てている。

1㎞は2分45秒ペースでリズムよく押していき、ラスト3㎞は気合で乗り切る覚悟だ。3年目の初挑戦。山で大きなインパクトを残し、チームに貢献することを誓う。

「1月3日のスタートでしっかり結果を残し、後ろにタスキをつなげたいです。自分がキーマンだと思っています。僕が復路の流れをつくります」

目標に掲げる32年ぶりのシード権獲得に向けて、自信をみなぎらせている。


ふくい・ひろむ◎2000年11月21日、茨城県生まれ。172㎝・59㎏、O型。水府中→水戸工高(茨城)。今季の予選会ではチーム内4番手でフィニッシュし実力を発揮。さらに11月に行われた10000m記録会で29分17秒51と自己記録を更新し、調子を上げてきている。3年目にして初の箱根&特殊区間の出走を見据え、昨年6区9位と好走したOBの先輩を超える走りを誓う。自己ベストは5000m14分10秒13(2019年)、ハーフ1時間03分49秒(20年)。
ちなみに大好きのものはプーさん。

文/杉園昌之 写真/桜井ひとし

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