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2021-12-23

【箱根駅伝の一番星】苦いデビューからエースの実力発揮へ、中央大・吉居大和「いい形でタスキをつなぐ」

12月に10000mでU20日本歴代2位の28分03秒90をマークし、中大記録を更新した吉居大和(2年)

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陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。全日本大学駅伝で10年ぶりとなるシード権獲得を果たした中央大学。そのエースとして1年時からチームの主軸を担うのが吉居大和(2年)だ。5000mのU20日本新の記録(13分25秒87)を持ち、12月には10000mでもU20日本歴代2位の28分03秒90をマーク。全日本では惜しくも区間賞は逃したが、2位の区間新と好調ぶりがうかがえる。2年目の箱根路では1区から良い形でタスキをつなぐことを誓う。


前回の箱根の反省から、今季は“切り替え”を大事にした


今回こそ、吉居大和(2年)はやってくれそうだ。

2020年、世代のトップランナーとして中央大学に入学すると、まさに順風満帆の競技生活がスタートした。

トラックのスピードは圧倒的で、2020年12月に行われた日本選手権では5000mで13分25秒87をマークし、自身が持つU20の日本記録を更新し、3位に入った。

この走りを見ると、ひと月後の箱根駅伝にも期待が高まった。ところが、箱根デビューはほろ苦い結果に終わる。3区を走った吉居は区間15位。つらい走りとなってしまったが、本人は正面からこの結果を受け止めていた。

「日本選手権にピークを合わせていたこともあり、箱根に向けてはロードでの練習が満足にできない状況が続いてしまいました。それこそ、設定どおりの練習ができたのは、本番前の刺激くらいで……。レース途中も、つまずきそうになったり、『完走ないかもしれない』と思ったほどつらかったです」

2021年はトラックのシーズンがひと息つくと、今度は気持ちを“駅伝”に切り替えた。

「トラックがメインと思われがちですが、大学陸上では駅伝が欠かせないものだと思っています。今年は、夏から駅伝を見据えた形で練習を重ねていますし、全日本の1区でも区間賞は取れませんでしたが、0秒差の2位だったので、後ろにつながる走りはできたと思います」

全日本大学駅伝では、自分がつないだタスキが8番目でフィニッシュ地点の伊勢神宮にやってきた。中大としては10年ぶりのシード権獲得で、吉居も中大入学以来、はじめて駅伝での充実感を味わった。

「シード権、うれしかったですね。上級生の先輩たちは、本当に感激していましたし、自分なりの仕事はできたので、シード権に貢献できたかなと思って」

藤原正和監督も、吉居の成長が2年目の箱根駅伝の結果につながると期待している。

「吉居は、来年の世界選手権、そして2024年のパリ・オリンピックがターゲットになってきますが、今年の夏に『しっかりとロードの練習をします』と、吉居本人から話があったんです。そこに精神的な成長を感じましたし、実際に予選会、そして全日本でもウチのエースらしい走りを見せてくれたと思います。箱根でもいい走りをしてくれるはずです」


全日本大学駅伝1区では0秒差の2位で、区間新の好走をみせた(写真右)

文/生島 淳 写真/福地和男、JMPA

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