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2022-01-11

【相撲編集部が選ぶ初場所3日目の一番】宇良、取り直しの末、貴景勝破り初白星

取り直しの一番は当たって右に動いた宇良が貴景勝を押し倒した

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宇良(押し倒し)貴景勝

2日目の正代戦で敗れた際、土俵下に後頭部から落ちて脳震盪を起こした宇良。心配されたが、無事に出場して大関貴景勝と対戦した。

貴景勝とは平成29年9月以来、4年4カ月ぶりの対戦。このときは貴景勝が突き倒して勝ち、宇良は痛めていた右ヒザをさらに悪化させて長期休場となった。幕下、十両も含めて宇良の1勝7敗と苦手にしている。

立ち合い、先に両手をついて待つ宇良。立ち上がると貴景勝は一気に前に出ず、よく見て突っ張りを繰り出した。宇良も右に回り込みながら突き返す。貴景勝の左からの突き落としにも崩れず、低い体勢のまま中に入ろうとする宇良。右で前廻しを取ると、頭をつけてモロ差しの体勢。左でも前廻しを取ると、拝むような体勢から一気に前に出た。土俵際、宇良は足が出ず倒れ込んだが、貴景勝も右足の甲が返り倒れる。軍配は貴景勝に上がったが、物言いがついた。

長い協議の末、「同体と見て、取り直しといたします」と高田川審判長(元関脇安芸乃島)が説明。その瞬間、宇良は悔しそうな顔を見せた。自分では分があると思っていたのだろうか。今年になって初めての幕内での取り直しとなった。

取り直しの一番は、立ち合いで宇良が当たってから右に動き、泳いで体勢を崩した貴景勝を押し倒し、初白星を挙げた。貴景勝は痛恨の連敗となった。

大関戦初勝利の宇良は、取り直しになったときの心境について、「2番は取りたくなかった」と答えたが、あとは何を聞かれても、「覚えていない」「わからない」を繰り返すばかり。相撲以外のことはよく話す宇良だが、相撲のことになると口が重く、取材の難しい力士の1人だ。

敗れた貴景勝は、リモート取材には応じずに引き揚げた。照ノ富士と優勝を争う一番手が2敗目を喫し、今場所も横綱の独走態勢になってしまうのか。少しだけ期待した大関正代も初黒星を喫し、役力士の全勝は照ノ富士と関脇御嶽海だけ。平幕では阿武咲、阿炎、妙義龍、王鵬の4人が全勝。優勝争いを面白くするためにも、横綱についていってもらいたい。

文=山口亜土

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