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2022-01-16

【相撲編集部が選ぶ初場所8日目の一番】御嶽海、初V以来のストレート給金

大栄翔の激しい突きをうまくあてがい、左を差した御嶽海がそのまま押し出した

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御嶽海(押し出し)大栄翔

前日、単独トップに立った関脇御嶽海。8日目は小結大栄翔と顔が合った。過去の対戦は十両も含めて御嶽海が12勝7敗とリード。突き押し相撲に強い御嶽海としては、負けている印象だが、直近は4連勝している。

御嶽海と言えば、周囲の期待が高まるとポロポロ負けるイメージで、今日あたり危ないのではないかと思っていたが、非常に強い内容だった。

立ち合いは互角。大栄翔の突っ張りを下からあてがう御嶽海。大栄翔が激しく突っ張るが、御嶽海はうまくあてがって威力を半減させ下がらない。我慢できなくなった大栄翔が引くところ、御嶽海は左を差すと体を寄せて密着し、足もよく出てそのまま押し出した。

御嶽海は危なげなく単独トップを守り、ストレート給金を決めた。中日での勝ち越しは初優勝した平成30年名古屋場所以来となる。

NHKの殊勲インタビューに呼ばれた御嶽海は、「うれしく思います。我慢できた一番です。しっかり体も動いていますし、負けないって気持ちも持っているので、最高にいいと思います」と胸を張った。

「いつもと変わらないようにやっています」と言う御嶽海だが、今場所は顔つきが違う。機を抜くことなく、集中して取れている。後半戦は役力士との対戦が待っているが、「自分の相撲を取るだけです。自分の相撲を取れば、白星につながると思っています」と語る。

平幕で1敗だった阿炎が豊昇龍に敗れて、1敗で追いかけるのは横綱照ノ富士だけになった。いよいよ2人のマッチレースの様相になってきたが、「特に気にしないです」と御嶽海。平常心で臨めるかがカギになりそうだ。

今場所は大関取りの場所ではなかった御嶽海だが、この調子でいけば場所後の大関昇進もありそうだ。照ノ富士に負けたとしても、14勝なら上げてもいいだろう。もし大関に上がれば、長野県からは江戸時代の雷電為右衛門以来、230年ぶりのことになる。

文=山口亜土

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