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2022-01-24

【NFL】GOATブレイディ敗れる 最終盤の神通力で同点も、ラムズがサヨナラFG NFCディビジョナルプレーオフ

【ラムズ vs バッカニアーズ】残り4分から14点差を追いつくも、ラストプレーでFGを決められて敗退。うつむいてフィールドを去るQBブレイデイ

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米プロフットボール・NFLは、現地1月23日(日本時間24日)、プレーオフのディビジョナルラウンドの2日目を迎えた。NFCのラムズ対バッカニアーズは、ラムズが試合残り時間4秒から「サヨナラ」フィールドゴール(FG)を決めて、前年スーパーボウル王者のバッカニアーズを破り、スーパーボウルまで進んだ2018年以来のNFCチャンピオンシップ進出を決めた。バッカニアーズの「GOAT(the Greatest Of All Time、史上最高)」、QBトム・ブレイディは、個人で8度目のスーパーボウル制覇を目指していたが、かなわなかった。ディビジョナルプレーオフは、22日にベンガルズと49ERSが、やはり試合最後のFGで競り勝っており、これで3試合連続でFG決着となった。

NFCディビジョナルプレーオフ
ロサンゼルス・ラムズ○30-27●タンパベイ・バッカニアーズ  
(2022年1月23日 タンパ レイモンド・ジェームス スタジアム) 

 第4Q残り4分26秒、ラムズが27-13とリードして、バッカニアーズの4thダウンギャンブルで、QBブレイディのミドルパスがレシーバーのいないフィールドに弾んだ時に、多くのラムズファンが「なんとか逃げ切れた」と思ったことだろう。
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 しかし、個人で11度目のスーパーボウル出場、8度目の制覇を目指していたブレイディが、魔神のような力を発揮するのはここからだった。

 バッカニアーズは、ラムズのオフェンスを3&アウトに止めた。3回のタイムアウトをすべて使って、ゲームクロックも止めた。
 残り3分56秒から始まったオフェンスで、魔神ブレイディは、3本のパスを重ねてわずか36秒で77ヤードを進み、タッチダウン(TD)を奪った。

 仕上げのプレーは、エースWRマイク・エバンスに決めた55ヤードのロングパス。この試合の焦点の一つだった、ラムズのオールプロCBジェイレン・ラムジーによる「アイランド」マンツーマンカバーだったが、エバンスはラムジーに完勝した。バッカニアーズが27-20まで追い上げた。

 ラムズは、魔神の力におびえ、浮足立った。

 次のオフェンスで、RBキャム・エイカーズが、自陣で痛恨のファンブル。バッカニアーズにリカバーされた。エイカーズは責められない。自陣内のためパスは使えず、「なんとかファーストダウンを」というセカンドエフォートの中で起きたファンブルだった。

 残り2分25秒でボールを奪ったバッカニアーズは、粛々と進んだ。3rdダウンのブレイディのパスは、ほんのわずかにファーストダウンに届かなかったが、却ってそれがバッカニアーズには良かった。ラムズディフェンスは「インチ」を守りにボックス内に人員を集中、外に持ち出したフォーネットが易々とエンドゾーン内に走り込んだ。エクストラポイントも決まって27-27。

 バッカニアーズがついに同点とした。

 残り試合時間は42秒。キックオフのボールはタッチバックとなり、25ヤードからのラムズのオフェンスだった。微妙な残り時間だった。1stダウンでラムズは5レシーバーでRBのいないエンプティ。QBマシュー・スタフォードがサックされた。

 2ndダウン、スタフォードは、最も頼りとするWRクーパー・カップに20ヤードのパスをヒットした。レギュラーシーズンでNFL史上2位となる1947ヤードレシーブで、WR三冠を獲得したカップは、すかさずアウトオブバウンズに出て時計を止めた。

 残り時間28秒。スタフォードがQBとしての真価を見せた。再びWRカップへのパスは、ポストパターンだった。インサイドレシーバーとしてセットしていたカップには、Sのアントワン・ウィンフィールドがついたが抜かれていた。40ヤードのロングゲインとなり、一気にエンドゾーンまで12ヤードと迫った。ラムズの誇る今季のNFLで最高のホットラインが、ここ一番でビッグプレーを決めた。

 タイムアウトは残っていなかったラムズは、ハリーセットしてQBスタフォードがスパイクし、時計を止めた。

 残り試合時間は4秒。ラムズ30ヤードのFGトライで、Kマット・ゲイの蹴ったボールは真っすぐに飛び、ゴールポストを超えた。

 ゲームオーバー。バッカニアーズの連覇、ブレイディの野望が打ち砕かれた瞬間だった。

          ◇

 試合前、2つのデータがあった。

・QBブレイディはプレーオフのディビジョナルラウンドに滅法強い。通算では14勝2敗。2011年からはディビジョナル9連勝中。
・今季5317ヤード、自己最高でNFLのパス獲得ヤード1位となったQBブレイディだが、パスヤード1位のシーズンはスーパーボウルに勝ったことがない。というよりは、スーパーボウル55回の歴史の中で、パスヤード1位のQBが勝ったことはない。

 後者のデータが、最後には生きた形となった。

 ブレイディは、2001年シーズンに最初のポストシーズンゲームに出場してから20年、通算47試合で12敗目を喫した。スタフォードはポストシーズン5試合目。NFL入り後13年間未勝利だったが、月曜日のゲームに次いでこの7日間で2勝となった。

【小座野容斉】

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