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2022-01-31

【NFL】スーパーボウルはラムズ対ベンガルズ QBスタフォード、超大型トレードからちょうど1年で夢の舞台決める

ライオンズからトレードで移籍からちょうど1年、スーパーボウル進出を決めたラムズのQBスタフォード=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは、現地1月30日(日本時間1月31日)、AFCとNFCのチャンピオンシップゲームが行われた。
 NFCではロサンゼルス・ラムズとサンフランシスコ・49ERSが対戦し、ラムズが49ERSを20-17で逆転で破り、3年ぶり5回目のスーパーボウルに進出した。

 この試合の前に行われた、AFCチャンピオンシップでは、シンシナティ・ベンガルズとカンザスシティ・チーフスが対戦し、延長オーバータイム(OT)の末にベンガルズが27-24でチーフスに逆転勝ちして、33年ぶり3回目のスーパーボウル出場を決めた。(写真はすべて Getty Images)

 この結果、現地2月13日にロサンゼルス近郊のSoFiスタジアムで開催される第56回スーパーボウルは、ベンガルズ対ラムズと決まった。スーパーボウルで両チームが対戦するのは、これが初めて。

 また、ラムズのQBマシュー・スタフォード、ベンガルズのQBジョー・バロウは、共にドラフト全体1位指名。No.1ピックのQB同士が対戦するのは、ペイトン・マニング(ブロンコス)対キャム・ニュートン(パンサーズ)の第50回スーパーボウル以来2度目となった


 今回のプレーオフはディビジョナルラウンドから激戦が続いた。チャンピオンシップまでの6試合すべてが最終スコア6点差以内、5試合が試合のラストプレーで勝敗が決着する、NFLの歴史に残る展開となった。

NFCチャンピオンシップ
ロサンゼルス・ラムズ○20-17●サンフランシスコ・49ERS
2021年1月30日、SoFiスタジアム

スタフォードにとって1月30日は運命の日

 ラムズが、第4Qに底力を発揮して逆転勝ちした。

 ラムズは第2QにQBマシュー・スタフォードとWRクーパー・カップのホットラインで先制TDを奪ったが、その後のオフェンスシリーズは、ファーストダウンを重ねてドライブしながら、FG失敗と、4thダウンギャンブル失敗で得点できず。第3Qまでわずか7得点だった。

 その間49ERSは、QBジミー・ガロポロの2本のTDパスなどで、着々と加点し、10点リードで第4Qへ。

 ラムズはスタフォードがカップにこの日2本目のTDパスを決めて追い上げ、Kマット・ゲイの2本のFGで逆転。

 残り1分46秒で3点を追う49ERSだったが、自陣内の3rdダウン13ヤードで、ラムズディフェンスが引いて守らずにQBガロポロに強烈なプレッシャー、焦ったガロポロが投げたパスがインターセプトとなって、万事休した。

 ラムズは、2018年シーズン以来3年ぶり5回目のスーパーボウル出場。過去4回のうち3回は、スティーラーズやペイトリオッツという歴史的な強豪と戦ったこともあり、優勝は1回のみ。現在米で公開中の話題の映画「アメリカン・アンダードッグ」のQBカート・ウォーナーを擁して優勝した1999年シーズン以来の制覇を目指す。

 ラムズのショーン・マクベイヘッドコーチ(HC)は、1986年1月29日で36歳になったばかり。今回優勝すれば、2008年シーズンのスーパーボウルで、スティーラーズのマイク・トムリンが記録した、HCとしてスーパーボウル最年少勝利(36歳324日)を更新することになる。

 QBスタフォードにとって、1月30日は運命の日だ。昨年のこの日に、現ライオンズのQBジャレッド・ゴフとの「ブロックバスター」トレードが一斉に報道された。それからちょうど1年、スタフォードは夢に見たスーパーボウル出場をつかんだ。

 また、一昨年、第54回大会までは、開催地をホームとするチームは、出場できなかったが、昨年のバッカニアーズに続いて、今回はラムズがホーム開催でのスーパーボウル出場を果たした。

【得点経過】
ラムズ 第2Q 残り8:46 WRカップ16ヤードパス←QBスタフォード[0-7]
49ERS  第2Q 残り6:10 WRサミュエル 44ヤードパス←QBガロポロ[7-7]
49ERS  第2Q 残り0:00 Kグールド 38ヤードFG(8-36, 1:50[10-7]
49ERS  第3Q 残り1:59 TEキトル 16ヤードパス←QBガロポロ[17-7]
ラムズ 第4Q 残り13:30 WRカップ11ヤードパス←QBスタフォード[17-14]
ラムズ 第4Q 残り6:49 Kゲイ 40ヤードFG[17-17]
ラムズ 第4Q 残り1:46 Kゲイ 30ヤードFG[17-20]



AFCチャンピオンシップ
シンシナティ・ベンガルズ○27=延長OT=24●カンザスシティ・チーフス
2021年1月30日、アローヘッド スタジアム

「モンタナマジック」に屈してから苦節33年

 ベンガルズが、33年ぶりチーム史上3度目のスーパーボウルに進出した。3試合連続で、試合のラストプレーのフィールドゴール(FG)を、ルーキーのKエバン・マクファーソンが決めて勝ち上がるミラクルな快進撃だった。

 前半から下馬評通り、圧倒的なチーフスペースで進んだ。オフェンスシリーズはすべてTDに結びつけた。しかし、前半最後のドライブで、ゴール前1ヤードまで攻め込みながら攻めきれずに、無得点に終わった。

 「TDはいつでも取れる」そんな油断があったのかもしれないが、これが結果的に命取りとなった。

 後半は一転して、ベンガルズペース。マクファーソンのFG、さらにQBバロウとWRジャマ―チェイスの大学時代からのホットラインが作動してTDパス。2ポイントコンバージョンも決まってベンガルズが同点に追いついた。

 ベンガルズのKマクファーソンは、第4Qに52ヤードのFGを決めて勝ち越した。

 リードされたチーフスは、後半ファーストダウンがわずか2回と完全に封じ込まれていたが、残り6分のオフェンスでは、しっかりとマホームズがパスをつなぎ、時計も進めながらドライブ。1分30秒を残してゴールまで5ヤードで1stダウン。ベンガルズは絶体絶命かと思われた。
 
 しかし、チーフスはまたしてもゴール前での詰めの甘さが出て、TDを取り切れず。同点のFGで延長OTに突入した。

 コイントスで、ディビジョナルラウンドのビルズ戦に続いて先攻となったチーフスだが、マホームズがWRヒルを狙ったロングパスをヒルが弾いて、インターセプトとなってしまった。

 この絶好の機会をベンガルズは逃さなかった。エースRBジョーミクソンにボールを集中的にボールを持たせて着実に前進すると、「神の子」マクファーソンが、3試合連続でサヨナラFGを決めた。

 ベンガルズのスーパーボウル出場は1988年シーズン以来。前回は、HCの故サム・ワイチがインストールした、元祖ノーハドルオフェンスを、QBブーマー・アサイアソンが自在に駆使して快進撃。スーパーボウルでも勝利をつかみかけた。しかし、49ERSのレジェンドQBジョー・モンタナの魔術のような逆転ドライブで涙を飲んだ。

 NFL史上初めて、ドラフト全体1位指名から2年目でスーパーボウルへ進出したQBのバロウを盛り立てて、悲願のスーパーボウル初勝利を狙う。

【得点経過】
チーフス 第1Q 7:17WRヒル10ヤードパス←QBマホームズ [0-7]
ベンガルス 第1Q 0:36 Kマクファーソン32ヤードFG [3-7]
チーフス 第2Q  残り12:14TEケルシー 5ヤードパス←QBマホームズ [3-14]
チーフス 第2Q  残り5:04WRハードマン 3ヤードパス←QBマホームズ  [3-21]
ベンガルス 第2Q  残り1:05 RBペリン 41ヤードパス←QBバロウ [10-21]
ベンガルス 第3Q  残り2:58 Kマクファーソン31ヤードFG [13-21]
ベンガルス 第3Q  残り0:14 WRチェイス 2ヤードパス←QBバロウ (2ポイントCV)  [21-21]
ベンガルス 第4Q  残り6:04 Kマクファーソン52ヤードFG [24-21]
チーフス 第4Q  残り0:00 Kバトカー44ヤードFG [24-24]
ベンガルス OT 残り9:22 Kマクファーソン31ヤードFG [27-24]

【小座野容斉】

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