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2022-01-30

【NFL】トム・ブレイディが引退決意か 米で相次ぎ報道 史上最高のQB、スーパーボウル優勝7回、パス歴代1位

22年間の現役生活に別れを告げ、引退することを決断したQBトム・ブレイデイ。写真は今季、古巣のペイトリオッツと対戦した際に撮影=photo by GettyImages

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 米プロフットボール・NFLが一つの時代の終焉を迎える。現在はタンパベイ・バッカニアーズのQBで「GOAT(the Greatest Of All Time、史上最高)」と称されるトム・ブレイディが22年間にわたる現役生活に終止符を打ち、引退することを決めたと、スポーツ専門局ESPNが伝えた。公式サイトのNFL.comや、他の多くのメディアも相次いで引退を伝えた。引退情報は、ESPNのアダム・シェフターが伝えたもので、NFLネットワークインサイダーのイアン・ラポポートも追認した。(写真はすべてGetty Images)

 また、米紙USA TODAY Sportsは、事情を直接知る人物が「間違いなく引退する」と語っていると報じた。同紙のマイク・ジョーンズによると、この人物は、引退発表について公にする権限がないため、匿名を条件に話したというが、他のメディアがブレイディはまだバッカニアーズに引退を伝えていないと報じたのに対し、この人物は「ブレイディは、自分で(引退の)ニュースを伝えたい」だけで、引退そのものは間違いないと語っているという。
第53回スーパーボウルで、自身6回目の優勝を果たし、WRエデルマンと共に喜ぶQBブレイディ=photo by Getty Images
 ブレイディは、ニューイングランド・ペイトリオッツで、2001年シーズンのスーパーボウルを初制覇して以来、史上最多の10回出場、7回優勝、5回のMVPに輝いた。QBとしても、史上最多の通算84520ヤード、624タッチダウン(TD)など、NFLの大半のパス記録を塗り替えてきた。2020年に、長年所属したペイトリオッツからバッカニアーズへ移籍し、最初のシーズンでスーパーボウルに優勝した。今季は44歳にして自己最高となるレギュラーシーズン、パス5316ヤードで、NFLのパッシングリーダーにも輝いたが、チームは1月23日、プレーオフのディビジョナルラウンドで、ラムズに敗れていた。

トム・ブレイディの持つ主なNFL記録は以下の通り。

・QBとして最多勝利:243勝
・最多パス試投:11317回
・最多パス成功:7263回
・最多パスTD:624本
・最多通算パスヤード:84520ヤード
・1シーズン最多パス成功:485回(2021年)
・選手としてスーパーボウル最多出場:10回
・選手としてスーパーボウル最多優勝:7回
・スーパーボウルMVP:5回
・選手としてポストシーズン最多出場:47試合
・選手としてポストシーズン最多勝利:35勝
・プロボウル最多選出:15回
第55回スーパーボウルで、バッカニアーズQBとして自身7回目の優勝を果たしたQBブレイディ=photo by Getty Images
 ESPNによると、引退の決断は、家族や健康状態などいくつかの要因に基づいているという。また、引退そのものにはあまり大きな影響を持たなかったが、バッカニアーズが大幅なロースターの入れ替えを行う可能性が高いことも認識していたという。ブレイディの妻は「世界一収入の多いスーパーモデル」と評されたこともあるジゼル・ブンチェンさん。


 1977年8月生まれで、NFL選手として最年長、44歳のブレイディは、何週間も前から、周囲やチームを巻き込んでの「お別れのシーズン」は望んでいないと断言していた。周辺によると、ブレイデイはあまりドラマのない決断を望んでいたという。今後は新たな活動に専念するために、選手生活を終えるには今が適切な時期だとと考えていたという。

AP通信「決断はまだ」と報じる

 AP通信は、ブレイディ自身がバッカニアーズに対して「まだ引退の決断をしていない」と伝えたと報じた。

 バッカニアーズの公式サイトでは、引退のニュースはまだ流れていない。20年間在籍したペイトリオッツの公式サイトは、ESPNの報道を引用する形で、「ブレイデイが引退」と速報した。

 ブレイディの代理人であるドン・イーは、引退報道がなされた後、29日に発表した声明の中で、このニュースを肯定も否定もしなかった。

「トムの将来についての憶測が広がっていることは理解している。報道されている内容の正確さや不正確さには触れない。トムは自分の計画を完全に正確に表現できる唯一の人物になる。彼は誰よりもフットボールビジネスの現実と計画されたカレンダーを知っているから、すぐにでもそうなるだろう。」

 ESPNによると、ブレイディは現在シーズン後の休暇に入っており、いつ正式に引退を表明するかは不明という。その動きは、スーパーボウルを含むNFLのポストシーズンゲームに水を差さないよう、配慮して行われるという。ブレイディの個人企業、TB12 Sports社は、引退を確認するかのように「7個のスーパーボウルのリング、5回のスーパーボウルMVP、3回のリーグMVP、22年の信じられないシーズン。そのすべてに感謝を」とツイートをしたが、後にその投稿を削除したという。

バッカニアーズの幹部やコーチは、ここ数週間、ブレイディの引退に備えていた。ある関係者は、今週に入ってから「すべての兆候がブレイディの引退を示している」と述べたという。バッカニアーズは、もう1年プレーするように説得することを諦めているという。

今週の初めに、ブレイディは出演した米のポッドキャストで、現役生活に対する気持ちを「満足している」という言葉で表現した。自己の業績に貪欲で、決して満足しなかったブレイディの言葉としては異例で、注目を集めていた。

【小座野容斉】

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