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2022-03-15

【相撲編集部が選ぶ春場所3日目の一番】新小結豊昇龍、貴景勝から初勝利

貴景勝の攻めに土俵際に追い込まれた豊昇龍が、土俵際で右から掬い投げ

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豊昇龍(掬い投げ)貴景勝

初場所、東6枚目で11勝を挙げた豊昇龍が新小結に昇進。初場所後は新型コロナの感染が判明したが、「何も症状は出なかったので、何で陽性なのかとビックリした」と言う。10日間隔離されたが、可能な限りで体を動かし、隔離後は1日に50番以上取っていたそうなので、ほとんど影響はないと考えていいだろう。

今場所は初日に照ノ富士、2日目に霧馬山に連敗し、3日目は大関貴景勝と顔が合った。過去は3回対戦してすべて貴景勝が勝っている。

立ち合いから先手を取って攻め込んだのは貴景勝。豊昇龍に右を差されたが、構わず前に出た。豊昇龍は土俵際に追い込まれたが、徳俵にかかった左足を軸に右から掬い投げ。ほぼ同時に倒れたが、木村玉治郎の軍配は豊昇龍に上がった。

すぐに物言いがつき、協議の結果は軍配どおり豊昇龍の勝ち。伊勢ケ濱審判部長(元横綱旭富士)は、「貴景勝の体が先に返っていた」と説明した。

新三役の初日を挙げた豊昇龍は、「廻しを取りたかったけど、何より勝ててよかった。うれしいです」と笑顔を見せる。

「最初の2日間は負けたんですけど、これから最後まで頑張りたい。体重も太ったんですけど、動きも悪くないので、自分の相撲を取っていきたい」とこの白星はきっかけになるだろう。

場所前は叔父の元横綱朝青龍と電話で話したそうで、「上位の人たちとは全員対戦したから、どんな相撲を取るかわかってるでしょ。あとは君次第だよ」とハッパをかけられた。「まずは勝ち越しを目指したい」と語る今場所は、上を目指す意味でも大事な場所になる。

敗れたカド番大関の貴景勝は1勝2敗と黒星が先行。攻め急いでしまったが、右を差されたことで、早い勝負に出たのだろう。相撲内容は悪くないと思う。

文=山口亜土

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