「週刊プロレス」に使用されている写真の裏側を大公開。ベースボール・マガジン社に所属する写真部員が実際に使用した撮影時の設定マニュアル。これからプロレスの撮影をしてみたい方々へ向けて、少し細かいカメラの設定を紹介。第5回はすみのえ舞昆ホール。2022年3月13日行われた「DDT」で使用した撮影データを掲載します。(写真・文◎山口高明)
☆すみのえ舞昆ホール
Osaka Metro四つ橋線・住之江公園駅から徒歩10分、南海本線・住吉大社駅、住ノ江駅から徒歩10分。阪堺電車・細井川駅から徒歩約15分。住之江区で生まれ育った身としては、全国さまざまな会場のなかでも思い入れの深い会場。建物1階は区役所になっており、ホールは2階にある。
リング照明などはなく、会場照明のみ。体育館のような作りで舞台があり、入場口になることもある。舞台脇から入場する時もあるので主催団体によって変わる。
収容人数が550人程度で東西南北ほぼ同じ形。正面以外はだいたい5列。正面のみ約8列になるが、物販スペースやカメラスペースも設置されるため、そこまで席の列は並ばないことが多い。
平面の会場ではあるが、最後尾でもあまり距離は遠くないため、撮影はしやすい。
会場全景と照明。(1/500 f3.5 ISO6400 WB/PRE(4000K+M1) +A0.5,G0.25 焦点距離24mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.3)
☆撮影Data・DDT/2022年3月13日
【使用機材】
NIKON D6、AF-S 24-70mm f/2.8E ED VR、SB-800、 NEEWERのオレンジフィルター
※NIKONの機材を使用しているため、設定などNIKON上での名称で記していますが、CANONやSONYのカメラにも似たような項目はあると思います。各々の機材に準じた項目を設定していただければと思います。
【明るさ】
会場照明のみため非常に暗い。
基本設定はISO6400に対して、1/640 f3.5 +ストロボ使用(光量はマニュアルで1/64-0.3、オレンジフィルター装着)で撮影。
暗いので感度はもう少しあげたいところではあるが、これ以上は粒子があれるのでf値を下げて対応。f値を下げると被写界深度が浅くなり、少し対戦相手同士の立ち位置がずれると片側がぼけてしまうので注意が必要になる。
光は会場中にまわっているので場所によって設定を変える必要はないが、会場の隅の方や入場口は多少暗くなる。
リング上は光がまわっているが暗い(1/640 f3.5 ISO6400 WB/PRE(4000K+M1) +A0.5,G0.25 焦点距離70mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.3)エプロン、場外マットもリング上と明るさはほぼ変わらない(1/5000 f3.5 ISO6400 WB/PRE(4000K+M1) +A0.5,G0.25 焦点距離52mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.7)舞台上の入場口は少し暗い。(1/640 f3.5 ISO6400 WB/PRE(4000K+M1) +A1,G0.25 焦点距離70mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.7)
会場の隅の方になると、少し暗くなるが気にするほどではない。(1/640 f4 ISO6400 WB/PRE(3230K+M0.5) +A0.5,G0.25 焦点距離28mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.3)高い位置でも設定は変える必要なし。(1/640 f3.5 ISO6400 WB/PRE(4000K+M1) +A0.5,G0.25 焦点距離46mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト+1.00、ストロボ設定 M1/64-0.3)
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