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2022-03-31

【ボクシング】財政悪化のJBCが解散を発表 スポンサー探して再建めざす

「試合は止めない」とJBCは強調した

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一般財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)は31日に理事会・評議委員会を開き、この日をもって解散することを決めた。コロナ禍を受けた財政悪化によるものとし、今後は財団の再建をめざす。

 評議会後に臨んだオンライン会見で、永田有平理事長は「コロナ禍の影響で純資産が2年連続で300万円を下回ったため、一般財団法人に関する法律に抵触した。今後は清算手続きに移行する」と、JBCの解散を報告した。代表清算人は永田氏で、清算決了までの間は業務を継続していくと公約。現在予定している試合については、滞りなく運営していくことを強調した。

 JBCの減収の要因はコロナ禍による試合の激減やボクシング人口の低下で、収入源であるライセンス料が大幅に減ったと説明。2020年は3000万円、今季は2600万円の赤字だったことを明らかにした。一方で、亀田裁判の敗訴による1億円超の賠償金が解散の決定打になったという見方については「純資産とは関係ない数字」だとして否定した。清算期間は1年以内とされており、年度末までに純資産が300万円以上となった場合は、法人の継続が可能になる。

 再建策としては経費の削減を挙げたが、今後は支援先の確保を急ぐ。「複数の企業にスポンサーになってくれるよう打診している」と永田氏。すでに社団法人を設立したことも認めたが、「財団法人を復活させることに全力を尽くしていきたい」と話した。

 懸念されるのは、清算法人となったことで通常業務が継続できるのか、という点だが、これについては法律的に問題ないとし、「我々がやらなければならないのは試合を止めないこと。今までやってきた基本的なことに関しては変わらないと思っていただきたい」と述べた。

 解散を受け、理事は全員退任。清算財団の間はJBCの理事が不在となるが、必要とされる評議員や幹事の役職は継続し、職員の雇用も変わらないとした。新財団として復活した際には役員を刷新し、人選については日本プロボクシング協会と協議していくという。

 強力な支援先が見つからない限り、先行き不透明な状況に陥ったJBC。再建策が不調に終わったら……と問われた永田氏は「努力することで今日の答えとしたい」と、苦渋の表情で応えた。

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