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2021-07-12

【ボクシング】JBCの直接謝罪に井岡「一つのけじめとして受け入れた」

永田理事長から謝罪文を受け取る井岡

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日本ボクシングコミッション(JBC)は12日、東京都内のホテルで記者会見を開き、永田有平理事長がWBO世界スーパーフライ級チャンピオン井岡一翔(Ambition)と対面。昨年大みそかに行われた世界戦のドーピング検査における不手際で井岡に陽性反応の疑いが生じ、騒動を招いたことを直接本人に謝罪した。

 5月19日、JBCが第三者による倫理委員会の調査で検体の保管ミスを認めてから3週間。永田理事長が公約した「直接謝罪する」機会がようやく訪れた。永田理事長は、井岡本人に手渡した謝罪文の内容を「ドーピング検査が杜撰だったことで井岡選手の家宅捜査を招いてしまったこと、情報漏洩で本人とご家族に多大な心労をおかけしてしまったこと、同時に新たなアンチドーピング体制の構築と情報漏洩の解明を徹底的にやっていくこと」などと説明。深々と頭を下げた永田理事長の謝罪を、井岡は神妙な表情で受け止めた。

 潔白とされた後も「形だけの謝罪では納得できない」と不快感をあらわにしていた井岡。この日、最も求めていたという直接の謝罪を受けても「すっきり解決したという気分ではない」と苦しい胸のうちを明かしたが、「一つのけじめとして受け入れたい」と表明した。「何度も言ってきたが、私と同じような目にあうボクサーは2度と現れないようにしてほしい」とドーピング検査の改善を求めつつ「JBCは私が指摘した誤りをすべて認めてくれた。今後はスポーツマンらしく前を見て努力していきたい」と述べた。

 永田理事長は現在、JBC内に委員会を設置し、ドーピング検査の精度向上、情報漏洩の原因追及に当たっているが、いずれも進展には時間を要するとした。また井岡側が上申書で求めた現役員の退任については、永田理事長自身と浦谷信彰理事がコミッショナーに進退伺いを出していることを明らかにした。

 井岡は組織の改革についてはJBCの判断にゆだねるとしたが、「今まで日本ボクシング界に少しでも貢献しようと思ってやってきたが、返ってきたのはこういうことだったのが悲しい。人生が変わるほど家族も苦しんだ」と正直な思いを吐露。「そういったところをJBCの方には少しでも理解していただきたい。今日を境に、日本ボクシング界を盛り上げていけるように頑張っていきたい」と締めくくった。

写真/BBM

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