米プロフットボール、NFLの2022年ドラフトは、ネバダ州ラスベガスで現地4月29日(日本時間30日)、第2日の指名があり、2巡32選手、3巡41選手の指名が確定した。
3巡選手のうち前半の65~85位までの21人を紹介する。レイブンズとジャガーズがディフェンス中心の指名を続けているが、3巡目でも好選手を指名している。また、注目のQBは、3巡74位で、ようやく今ドラフト2人目(シンシナティ大のデズモンド・リダー)が指名された。
3巡後半の86~105位までの21人紹介はこちら ラムズ、レイダース、ドルフィンズが初指名■3巡65位 ジャクソンビル・ジャガーズ
C ルーク・フォートナー (ケンタッキー大学)
NCAAのコロナ特例で5年間55試合の経験を持つOLで、CもGもプレーできる頑健なランブロッカー。リーダーシップも魅力。
■3巡66位 ミネソタ・バイキングス
LB ブライアン・アサモア (オクラホマ大学)
ボールを追い続けるタックルマシーン。サイズ不足の懸念はある。ガーナから一家で移民、オハイオ州立大の地元、コロンバスに居を構えたが、息子はオクラホマ大に進んだ。
■3巡67位 ニューヨーク・ジャイアンツ
OG ジョシュ・エジュードゥー (ノースカロライナ大学)
NFLでは即先発というタレントではないが、Gとしての適性に加え、Tの経験もある。ラン中心オフェンスのノースカロライナ大で3年間先発。ゾーンブロックでLBを取るのもうまい。
■3巡68位 クリーブランド・ブラウンズ
CB マーチン・エマーソン (ミシシッピ州立大学)
188センチ91キロの大型CB。パスカバーは、ゾーンスキーム特化型。プレスでは力を見せるが、スピードは平均的でマンツーマン能力には疑問が残る。堅実なタックラーでもある。
■3巡69位 テネシー・タイタンズ
OT ニコラス・ペティフレール (オハイオ州立大学)
高校時代は5つ星ランクのエリートだが、オハイオ州立大では伸び悩んだ。左右のTで先発経験があり、ランブロックは堅実だが、Tとしては腕が短く、効果的なパンチを打てない。
■3巡70位 ジャクソンビル・ジャガーズ
LB チャド・ムーマ (ワイオミング大学)
祖父も父もフットボール選手。LBはどこでもプレーできる。プレーリードに優れ、カバレッジも得意。2021年は3インターセプトを記録した。ESPNは「1巡指名のロイドとともに、2人のLBがジャクソンビルの未来となる」と激賞している。
■3巡71位 シカゴ・ベアーズ
WR べラス・ジョーンズJR (テネシー大学)
40ヤード4秒31と、スピードなら今ドラフトのレシーバーの中でも1,2を争うビッグプレーメーカー。キックオフ、パントの両方でリターナーとしても活躍してきた。2つの強豪大で6年プレーし、5月で25歳、NFLでは即活躍したい。
■3巡72位 シアトル・シーホークス
OT エイブラム・ルーカス (ワシントン州立大学)
RTのルーカスを指名、1巡指名のクロスとあわせ左右のTを補強した。2人の共通点はHCマイク・リーチの下でプレーしていたこと。リーチはパス偏重オフェンスで有名で、2人ともパスプロテクションで力を発揮する。新QBは来年以降に着手か。
■3巡73位 インディアナポリス・コルツ
TE ジェラニー・ウッズ (バージニア大学)
201センチ、118キロの巨体で高い運動能力を持つ「モンスターの卵」。大学入学時はQBで、プレー理解も深い。オクラホマ州立大を卒業して転校するなど、性格も真面目。ベテランQBマット・ライアンの下で、開花すれば面白いことになる。
■3巡74位 アトランタ・ファルコンズ
QB デズモンド・リダー (シンシナティ大学)
コンバインの40ヤード走は今ドラフトQBの最速を記録したが、モバイルQBではなく、堅実なパサータイプ。責任感が強く真面目だが、尖った能力はない。カレッジ通算50試合先発で44勝。当面はQBマーカス・マリオタの控えとなりそうだ。
■3巡75位 ヒューストン・テキサンズ
LB クリスチャン・ハリス (アラバマ大学)
サイドラインからサイドラインまで守るSTUDプレーヤー。40ヤードは4秒44、ブリッツが得意で、RBなどのパスカバーもこなし、LBとしての完成度は極めて高い。184センチ103キロとLBとしては小型軽量で、パワーブロックに苦戦する面がある。
■3巡76位 ボルティモア・レイブンズ
DT トラビス・ジョーンズ (コネチカット大学)
今ドラフト屈指のインサイドDLを、この指名順位で、「ディフェンス王国」レイブンズが指名。巌のような巨体、ベンチプレス200キロの力を持ち、1オン1では完勝できる。1巡ハミルトン、2巡オジャボと共に将来のディフェンスの柱となる可能性も。
■3巡77位 インディアナポリス・コルツ
OT バーナード・ライマン (セントラルミシガン大学)
欧州の音楽の都ウィーンから来た青年は、米国で体を鍛え上げて、素早く、パワフルで、意地の悪い効果的なランブロッカーに生まれ変わった。パスプロテクションはまだ発展途上だが、将来に渡って長く先発LTとなる可能性のある逸材。
■3巡78位 クリーブランド・ブラウンズ
EDGE アレックス・ライト (アラバマ大バーミンガム)
長身・大型で、ダブルチームには苦戦することもあるが、大外からのパスラッシュには定評がある。ブラウンズはマイルス・ギャレットの反対側のエッジラッシャーとして育成を目指す。
■3巡79位 ロサンゼルス・チャージャーズ
S JTウッズ (ベイラー大学)
188センチで、40ヤード4秒36、垂直跳び100センチという身体能力を誇る。2020年からの2シーズンでFBS最多の9インターセプトを記録、1月のシュガーボウルでは2インタの活躍を見せた。好QBが揃うAFC西で、能力を開花させられるか。
■3巡80位 ロサンゼルス・チャージャーズ
TE グレッグ・ダンリッチ (UCLA)
長い腕を活かしてダイナミックなキャッチを見せるビッグプレーメーカー。レシーブ1回平均は、2020年は19.9ヤード、2021年は17.3ヤードと2いずれもFBSのTE
としては2位。ランブロックには大いに改善の余地があり。
■3巡81位 ニューヨーク・ジャイアンツ
CB コーデール・フロット (ルイジアナ州立大学)
LSUが全米優勝した2019年から試合に出場。184センチ79キロと細く、マンツーマンカバーではパワー負けすることも。タックラーとしては定評がありニッケルの他にSとしてもプレーできる。シカゴが指名したWRべラス・ジョーンズJRのいとこ。
■3巡82位 アトランタ・ファルコンズ
EDGE デアンジェロ・マローン (ウェスタンケンタッキー大学)
ファルコンズは2巡エビケティーに続いて、エッジラッシャーを指名した。パスラッシュ強化という目標に沿った補強。通算32.5サックで、2021年は4ファンブルフォースも記録した経験豊富なパスラッシャー。ややパワー不足の面がある。
■3巡83位 フィラデルフィア・イーグルス
LB ナコビ・ディーン (ジョージア大学)
全米王者ジョージアの中核で、2021年のバトカス賞受賞のカレッジトップLB。サイズ不足はあるにせよ、1巡指名予想だったディーンが、ここまで順位が落ちたのは、今ドラフトの最大の謎の1つだ。メディアにはわからないマイナス点があったのか。
■3巡84位 ピッツバーグ・スティーラーズ
DT/DE デマービン・リール (テキサスA&M大学)
スティーラーズは、3巡で初めてディフェンス選手を指名した。128キロのリールはエッジラッシャーとしてはスピード不足だが、サイズの割に方向転換がうまく、インサイドからのパスラッシュが武器。ランディフェンダーとしても優秀。3-4のDE向き。
■3巡85位 ニューイングランド・ペイトリオッツ
CBマーカス・ジョーンズ (ヒューストン大学)
173センチ79キロと小柄だが、昨季は5インターセプト。ただ、ジョーンズはパントとキックオフで計9回リターンTDを記録している。ペイトリオッツはリターナーのオルシェウスキーが移籍したため、CB以上にリターナーとして期待しているようだ。