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2022-05-03

新生・大阪プロレス旗揚げ3連戦は連日超満員! 全15試合を裁いた吉野恵悟レフェリーの総括と今後【週刊プロレス】

大阪プロレス旗揚げ戦に参戦した選手たちの集合写真

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3代目社長にゼウスが就任してスタートを切った大阪プロレスが旗揚げ3連戦(4月29日~5月1日、大阪・アゼリア大正ホール)を終えた。

新型コロナウイルスまん延防止重点措置も解除され、フロアいっぱいに席が設けられたなかで、前売りチケットは発売早々に完売。3日間とも超満員に膨れ上がっただけでなく、会場は試合開始前からあの頃の大阪プロレスを待ち望んでいる空気に包まれていた。ゲスト参戦したOB(スペル・デルフィン、松山勘十郎、HUB)を含めた選手もそれに応え、会場は笑い、拍手、歓声が沸き起こっていた。

3日目のメインイベントではゼウスと三原一晃が小細工なしで正面からぶつかり合う激闘を展開。重量感あふれる大技ラッシュに耐え抜いたゼウスが、ジャックハマーで三原をマットに沈めて第34代として大阪プロレス王座に返り咲き、新調され黄金に輝くベルトを腰に巻いた。

各日5試合、全15試合を裁いてリング上で会場の雰囲気を肌で感じた吉野恵悟レフェリーは、旗揚げ3連戦を終えて次のように総括した。

「やっぱり、お客さんが一番求めてたのはあの時の雰囲気だなとあらためて感じました。求められていたものが出せたからこそ、僕らもやってて懐かしいなという感じでした。

ほかの団体に上がってて感じるお客さんの雰囲気と違うもの、大阪プロレス独特の雰囲気は感じられたんで狙いとしてはよかったかなと思いますし、かといってそれだけじゃなくて、若手の力であったり、新キャラクターである大坂丈一郎がしっかり軸になる、くいえべ(くいしんぼう仮面、えべっさん)に持っていかれ過ぎない部分をしっかり主張できてるから、ゼウス社長が打ち出した日本一を目指すための新しいコンテンツはしっかりできあがったという実感があります。新しい大阪プロレスのスタイルが確立して、これで勝負していけるという自信がついたんじゃないかなと思いますね」

メジャーからインディー、デスマッチを売り物にする団体など、さまざまな団体にレフェリーとして上がっている吉野レフェリーによれば、やはりそれぞれの団体に独特の空気があるという。

「大阪プロレスの会場の空気っていうのは唯一無二っていう気がしますね。いろんな団体が大阪大会をやりましたし、いろんな形式の試合をやりましたけど、ほかの団体がコミカルな試合をやったとしても、大阪プロレスのような感じにはならない。ほんとにお子さんが爆笑してる声が聞こえたし、それがないと大阪プロレスは始まらない。

大人が喜ぶものも確かに大事なんですけど、大人も子供も喜べるっていうものが、きっちりはまったなっていう実感があります。子供向け、大人向け、マニア向け……っていわれますけど、“何向け”っていうのものがこの団体にはない。ストロングスタイルのプロレスに飢えたファンは満足できないのかっていうなら、『最終日のメインの試合を見てごらんなさい。どこにも負けないすごい試合やってますよ』っていう自信がありますし。

でも、それだけじゃない。肩ヒジ張らないで見たままを楽しめる、大笑いできる試合もある。アラ捜ししてやろうとか、斜に構えて見てやろうとか、それすらバカらしくなる。それが大阪プロレスなんです」

次回大会は6月12日(大阪・淀川区民センター)のビリーケン・キッド25周年記念大会。1カ月以上、間が空くが、吉野レフェリーは「この旗揚げ3連戦の余韻はそう簡単に薄まるもんじゃないと思います。僕らは過去やりすぎたっていうのがありますから。やりすぎた結果、ネタが枯渇していったので、むしろいい意味で、エンジンを分解して整備して、もう一度組み立てて試運転した感じで、ひと通り闘えるものはできあがったなと。

この1カ月間は、それをまた磨いていく期間かなって思いますね。しっかり先を見据えているのであれば、慌てなくていい。新しいパーツも加わったことですし、それをしっかり磨き上げて、常に勝てる闘いができるものを作っていくことが大事だと思いますね」。

今後に関しては「手ごたえは十分。でも、まだまだ小さなハコ(会場)ですから。デカイハコでも勝負できるコンテンツにしていかないといけないと思いますし、(大阪)城ホールどころか、京セラドームをパンパンにするぐらいのものにしたい。その武器はそろってると思います。

かつての大阪プロレスの空気も感じられましたし、それは広がりやすいと思います。あの頃に比べたらSNSをはじめ、拡散するツールはたくさんありますから。プロレスファンじゃなくても見やすいですよという空気が伝われば。会場で、配信で初めて見てくれた人が、“これならまた見に行ける”“見に行きたい”と思ってもらえるようにするのが今後の課題。少なくとも『家族で見に来てください』って声を大にして言えるものですから。見たまま感じてください」と胸を張った。

ゼウスが社長就任の際に掲げた「日本一子供が多い団体」「オンリーワン、ナンバーワンの団体」「たくさんあるプロレス団体の中の一つじゃなくて、プロレスの枠を飛び越えた“大阪プロレス”という一つのジャンルに」の目標に向けて、大きく踏み出した旗揚げ3連戦となった。

橋爪哲也

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