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2022-05-03

【陸上】飯塚翔太、完全復活への手応えつかむ200m 20秒34&優勝「久しぶりに走り切れた」

レース内容、記録共に納得の走りを見せた飯塚(写真/椛本結城)

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第37回静岡国際陸上競技大会(日本グランプリシリーズ静岡大会)が5月3日、静岡・エコパスタジアムで行われ、男子200mでは3大会連続オリンピック出場中の飯塚翔太(ミズノ)が20秒34(-0.4)で優勝。過去2年は走りがかみ合わず、ケガ等もあり苦しい時期が続いてきたが、30歳のベテランは地元・静岡で完全復活への手応えをつかんだ。

3年ぶりの20秒4切り。何より久しぶりに飯塚らしい、終盤に強さを発揮するレースを展開できた。

予選を20秒43と全体2位で迎えた決勝。レースは同じ静岡出身で予選全体1位の犬塚渉(スズキ)が先行する展開となり、コーナーから直線に入る100m地点では後続と大差をつけていた。しかし飯塚はここから徐々にギアをアップすると、最後はフィニッシュ手前で犬塚をかわし、0秒07差で勝利を収めた。

フィニッシュ手前で犬塚(右)を交わし勝利した飯塚(中) 写真/椛本結城
フィニッシュ手前で犬塚(右)を交わし勝利した飯塚(中) 写真/椛本結城

「前半100mの手脚のリズムを意識して走り、余裕を持ってコーナーを走り切りました。昨年は走り(手脚のタイミング)がかみ合わず、それが右ヒザの故障にもつながっていました」

飯塚は昨年、春先に右脚を痛め、日本選手権、そしてワールドランキングで出場を決めた東京五輪でも本来の力からはかけ離れた21秒02で予選落ち。4×100mRのメンバーからも外れ、3度目のオリンピックはただただ悔しさだけが残る大会となった。

その悔しさをバネに再び10月から始動。あらためて自身の走りを見返してみると、「手脚のバランスが崩れたいたこと」を認識し、冬場はその走りのバランスの修正を行い、準備を進め、今季を迎えた。

 4月のオーストラリアでの試合では「速く走ろうとして力が入りすぎ、うまくいかなかった」が、その反省を生かし、「今日は前半遅くなってもいいからと割り切って、7~8割の力で、走りもうまくかみ合ったと思います。最近は走り切れていなかったので、久しぶりに走り切れたレース」に。大きな自信を取り戻した。

飯塚が地元の静岡国際に初出場したのは高校3年の時。以来、走り続けてきたが、一緒に走る顔触れは大きく変わった。その状況に感慨を覚えつつも「同世代の選手はみんな引退したけど、こうして若手に混じって走ることは楽しい」と気持ちを新たにする。

記録面での目標はリオ五輪4×100mリレー銀メダリストになった2016年の日本選手権でマークした20秒11、6年ぶりの自己ベスト更新だ。

「その年の静岡国際では今日と同じくらい(20秒38)のタイムで走って、その後(日本選手権とリオ五輪)につなげたので、このままいきたい」

今年は世界選手権(7月/アメリカ・オレゴン)、アジア大会(9月/中国・杭州)が同年開催という前例のないシーズンだが、第一目標に掲げる「世界選手権での200m決勝進出」に向け、飯塚がどのような走りを確立していくのか。注目である。

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