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2022-04-30

【陸上】活況! 女子三段跳。日本歴代3位・13m56の森本麻里子は「条件整えば14m台も」

女子三段跳で日本歴代3位に入った森本(左)と高島 (写真/早浪章弘)

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第56回織田幹雄記念国際大会(日本GPシリーズ広島大会)が4月29日、広島広域公園陸上競技場で行われた。GP女子三段跳では、森本麻里子(内田建設AC)が日本歴代3位となる13m56(+1.2)で制した。2位の高島真織子(九電工)も13m35(+0.8)を跳び、日本歴代9位にランクイン。森本と高島を中心に、女子三段跳は活況のシーズンとなりそうだ。

女子三段跳で2人が日本歴代トップ10入り

前半の試技は強い雨が降り続き、気温は15度前後という悪条件。それでも「自分ができることに集中する」と森本は1回目に13m25(+1.2)をマークし、その後も13m10(+2.5)、13m03(+2.1)と安定した記録を出し続けた。

「試合中に雨がやんできたので、4回目以降はスッと加速に乗るような感覚を意識しました」雨がようやく弱まってきた4回目で13m56を跳び、日本歴代3位に食い込んだ。残り2回の試技はファウルだったが「6回目の感覚がよかったのでほんのちょっと出てしまったのがもったいない。13m50〜60くらいは跳んでいたと思います」と、自身の伸びしろも感じたという。

3月の日本選手権室内では13m31を跳び、23年ぶりに室内日本記録を塗り替えた森本。「室内では技術と助走のバランスが上手く噛み合わなかったのでそこを修正したり、助走のキレを出したりするのを課題にしてきました。助走とホップ、踏切の入りがレベルアップしたのかな」と自身の跳躍を振り返る。

今シーズンに向けては「自己ベストを超えることが最低条件。そうすれば13m後半も見えてくる」と話していた森本だが、早くも最低条件を突破し、13m後半の領域へと踏み入れた。「恵まれた条件でしっかり自分の力を出せれば14m台も見えてくるのかなと思います」

次は、5月3日に開催される静岡国際に挑む。今大会から一転して好天が予想され、さらなる記録の更新も期待できそうだ。 

2位の高島は3回目に13m27(+4.0)を跳び、一時はトップに立つも、4回目に森本のビックジャンプで逆転された。最終試技の6回目に日本歴代9位となる13m35(+0.8)の自己ベストをマークしたが及ばなかった。「天候が悪かったとはいえ森本さんは安定して跳んでいたので自分の甘さを感じました」と振り返る。

170cmを超える高身長を生かした跳躍で、2020年の日本インカレ、21年の実業団・学生対抗を制した高島。日本室内でも森本に次ぐ2位に食い込んだ。

「記録は室内からずっと伸びているけれど感覚としては13m50を超えられそうなので悔しい気持ちもあります。まずは1本目からアベレージを上げて、そこから13m70~80近くまで跳びたいですね」

三段跳は世界との距離がやや遠い種目ではあるが、二人を軸にぐっと縮まる予感もする。
女子三段跳 日本歴代10傑表

文/荘司結有 写真/早浪章弘

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