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2022-06-02

【ボクシング】井岡一翔が宿敵ドニー・ニエテスと再対決 「真の4階級制覇を決める戦いに勝ってみせる」

 WBO世界スーパーフライ級チャンピオンの井岡一翔(33歳=志成)は、2日、東京都内で記者会見を開き、7月13日、東京・大田区総合体育館で1位にランクされる前チャンピオン、ドニー・ニエテス(40歳=フィリピン)と5度目の防衛戦を行うと発表した。井岡には2018年の大みそか、4階級制覇に成功しているニエテスに挑み、1-2の僅差判定負けを喫して4階級制覇を取り逃がした過去がある。「今度ははっきりと勝って王座統一戦につなげたい」と意気込みを語った。

 井岡が常々、口にしているのは「スーパーフライ級で最強であることを証明する」。そういう意味では、この戦いは「メリットはないのかもしれない」。だが、大きな目標への第一歩としてならば景色は違って見えてくる。ミニマム級からフライ級まで世界王座の3階級制覇を果たしたのちに引退。1年半のブランクを置いて、4階級制覇を目指して再起した。立ちはだかったのがニエテスだった。マカオで行われた最初の対決は高密度の技術戦になり、井岡は敗れた。

「今にして思えば、ここで打ち合う、それとも(足を使って)動くといった、そんなひとつひとつの判断が遅かったのかもしれない」

 精緻な技巧はむろん、ペースメイクを微に入り細に入り操作する達人テクシシャンは、あの敗戦こそが学びの場になったと語る。

「ボクサーとしていろんなことを考えさせてもらえました。技術的なことももちろん、自分自身に向き合う時間が増えたと思います」

 本来なら、大みそかにIBFチャンピオンだったジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と行うことになっていた王座統一戦がオミクロン株対策で流れた。そこでお互いが1戦はさんで、今ごろ、念願の世界王座統一戦となっているはずだった。だが、アンカハスは伏兵のフェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)に敗れ、井岡にはWBOからの指令によって指名挑戦者ニエテスとの対戦が先行されることになった。それでも、4階級制覇王者の対決は、意欲を高くするマッチメイクであることに変わりはない。
目標はあくまで王座統一戦。この戦いを足場にしたい
目標はあくまで王座統一戦。この戦いを足場にしたい

 井岡に勝った3ヵ月後に、タイトルを放棄したニエテスは、その後、ノンタイトル戦を2試合しかしていない。一方の井岡は世界戦ばかり5戦もこなしている。年齢的なものを考え合わせれば、たやすいマッチメイクに見えるかもしれない。だが、井岡は決してニエテスを甘く見てはいない。

「パワーに頼るタイプだったら、衰えをみせているのかもしれませんが、ニエテスのような(技巧的な)タイプは年齢はあまり関係ないと思います」

 角度や距離、試合運びの中に織り込む攻めと守りの絶妙の配合。それがニエテスの持ち味。基本的には井岡も同じ。だから、はっきりと差をつけてこのライバルに雪辱することが、井岡自身の成長を証明することになる。

「アンカハスはマルチネスと再戦するそうですから、大みそかには統一戦が実現するかもしれません」

 とくにIBFのベルトにこだわっているわけではないですが、と断って井岡は言った。ニエテスも、アンカハスも、最後に立ち向かう最強への道の一里塚に過ぎないのだろう。

文◎宮崎正博 写真◎山口裕朗

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