31日、東京・新宿FACEで開催された『ファーストレートPresents A-SIGN BOXING』で、魅力的なカードが発表された。元WBO世界スーパーフェザー級チャンピオン(現6位)伊藤雅雪(29歳=横浜光)と、OPBF東洋太平洋同級王者・三代大訓(みしろ・ひろのり、25歳=ワタナベ)が11月5日(木)、東京・墨田区総合体育館で激突するのだ。試合はライト級10回戦で、当日開催される『カケルホールディングス Presents ASIGN.BOXING』のメインイベントとして行われる。
上写真=早くも火花を散らす伊藤(右)と三代。技術的にもハイレベルな戦いが繰り広げられるはず
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外からの選手招聘が困難な状況だからこそ実現できた“ビッグマッチ”なのかもしれない。だが、経緯はどうあれ、ファン・関係者は垂涎、両選手にとっても、モチベーション最高潮の戦いだ。
かねてから「国内のボクシングを盛り上げるカードを」熱望していた伊藤と、「プロ入り前から伊藤さんに憧れていて、いつか乗り越えたいと思ってきた」三代。両選手ともに1階級上で、しかもノンタイトル戦となるが、“最大級の無冠戦”といってよく、ベルトうんぬんはまったく関係ない。「タイトルに絡む試合しか、スーパーフェザー級でやるつもりはなかった」と伊藤が言えば、「昨年12月の試合(vs.木村吉光、2-1判定勝利でV4)が終わってから、ライト級でやるつもりで体づくりなど準備をしてきた」(三代)と、ともに新たなクラスで戦う心はできていた。
「三代選手が大学生(中央大)のときから、スパーリングをしてきた間柄。世界を獲る前後ぐらいまで、かなりの数をやってきた」(伊藤)と、すでに互いのボクシングは体に刷り込んでいる。
「ジャブが上手くて崩しづらい」(伊藤)、「右のカウンターが巧く、目がいい。芯でパンチをもらわない」(三代)と互いの印象を語るが、「最強の相手だと思って、全力で叩き潰したい」(伊藤)、「このチャンスは絶対に逃さない」(三代)と、口調は静かながら、すでに火花を散らしている。
今週木曜日(9月3日)、ライト級3冠王者(日本、OPBF,WBOアジアパシフィック)の吉野修一郎(28歳=三迫)が、元日本スーパーライト級王者・細川バレンタイン(39歳=角海老宝石)と防衛戦を行う。12戦12勝10KOの吉野と、“策士”バレンタインの一戦も大注目の好カード。この試合と、伊藤vs.三代、それぞれの勝者が対戦──など、希望は膨らむ。
まさに「国内ライト級ウォーズ」勃発。新型コロナウイルスの影響により、危機を叫ばれる世の中に、大逆転の一撃をかます戦いだ。
伊藤:29戦26勝(14KO)2敗1分
三代:9戦8勝(3KO)1分
文_本間 暁
写真_菊田義久
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