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2022-07-11

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所2日目の一番】朝乃山、418日ぶりの本土俵で白星

418日ぶりに本場所の土俵に上がった朝乃山が白星を飾った

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朝乃山(寄り切り)剛士丸

大関取りなど特に大きな話題がない名古屋場所、一番の注目は元大関朝乃山の復帰だろう。
 
6場所の謹慎期間を終え、418日ぶりに本場所の土俵に上がった朝乃山。番付は西三段目22枚目まで下がり、剛士丸(武蔵川)と対戦。左足から踏み込み当たってすぐに右を差した朝乃山は、前に出ながら左前廻しを取ると、あっさりと寄り切った。
 
リモート取材に応じてくれた朝乃山は、「花道に入ってから、お客さんの温かい拍手がすごくうれしかったです」としんみり。「本場所の土俵で相撲を取らせてもらえる感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたいです」と語った。
 
謹慎期間中に祖父、父を相次いで亡くし、心労をかけてしまったことを悔やんだ。父を亡くしたときは引退も考えたが、周囲の励ましに翻意した。
 
場所前に四股名の下の名前を英樹から本名の広暉に変えた。英樹は恩師である富山商相撲部監督の浦山英樹さん(故人)からもらったもの。「不祥事を起こして、先生の名前は名乗れないという思いもありましたし、母と相談して父がつけてくれた本名の広暉にしようと決めていました」と初心に返る気持ちだったのだろう。
 
最後に「ファンの皆さんにもう一度、応援してもらえるように相撲と向き合っていきたいです」と語った朝乃山。元大関が三段目や幕下で負けるわけがないので、今後の番付の推移を予測してみたい。
 
朝乃山は西三段目22枚目だが、この1年で同じような位置で全勝した力士の翌場所の番付を調べてみた。4年1月の長内が東19枚目で翌場所は西幕下14、3年9月の藤星雲が東21枚目で翌場所は西幕下17、3年7月の鳩岡が西16枚目で翌場所は東幕下15。幕下15枚目以内で全勝すれば、十両復帰なのだが、よほど運がよくないと幕下15枚目以内に入るのは難しい。そうなると、九州場所まで幕下で、初場所で十両、ここで全勝すれば幕内に復帰できるだろう。
 
朝乃山の復帰戦をVTRで見た同期同学年の豊山は、「変わらず強かったですね。幕内上位で彼のことを待っていたいです」とエール。現在の不甲斐ない大関陣を見ていると、「朝乃山がいれば」と思ってしまう。相撲界のためにもノンストップで番付を駆け上がってほしい。

文=山口亜土

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