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2022-07-13

【ボクシング】中嶋、桑原、保田がKO勝利。中垣は近藤と薄氷ドロー

中嶋が強烈な左ストレートを突き刺す

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 12日、東京・後楽園ホールで行われた日本スーパーウェルター級戦前座に、大橋ジムの日本ランカー、プロデビュー組らが登場した。

文_宮崎正博(中嶋対カルーン、中垣対近藤、田中対冨田、山川対森本)、本間 暁(桑原対パリニャ、保田対クライ)

写真_馬場高志

 前東洋太平洋バンタム級チャンピオン(現日本スーパーバンタム級7位)の中嶋一輝(29歳=大橋)は、王座を失って以来2戦目をスーパーバンタム級8回戦として行い、カルーン・ジャルピアンラード(36歳=タイ)に5回2分3秒TKO勝ちを収めた。
 ペッチバンボーン・ゴーキャットジムの名前で6年前、当時のWBO世界スーパーフライ級王者だった井上尚弥(大橋)に挑戦(10回KO負け)したこともあるカルーンは、とことん守備的に戦った。高くガードを掲げ、中嶋のパンチをスウェーバックを中心にかわしていく。スピードとパワーで圧倒的に勝るサウスポー、中嶋は立ち上がり、強烈なワンツー、右フックと強襲したが、その後は冷静に攻め崩しに行った。
 ただし、強弱をつけたコンビネーションで攻めるもベテランをなかなか打ち崩せない。5回、右フックから左アッパーのボディブローを交えた連打で、カルーンをコーナーに追い込む。相手も見ずにパンチを振り回すだけのカルーンを見て、レフェリーがストップをコールした。
 中嶋は14戦12勝(10KO)1敗1分。「もっときれいに倒したかった」と試合内容を悔やんだが、「スーパーバンタム級は調子がいい」と今後はこの階級で戦っていくことを示唆していた。カルーンは61戦49勝(23KO)12敗。

右アッパー一撃でKO勝利の桑原
右アッパー一撃でKO勝利の桑原

 日本フライ級13位の桑原拓(27歳=大橋)はタイ同級1位のパリニャ・カイカンハを2回2分1秒TKO。昨年7月に日本王座挑戦に敗れてから、これで連続KO勝利を収めた。
 世界チャンピオン(元WBCスーパーフライ級王者スリヤン・ソールンビサイ)を兄に持つパリニャを、桑原は得意のスピードボクシングで圧倒した。ジャブ、ワンツーを主体に、左フック、さらにタイミングや強度も変えたワンツーも。4戦4KO勝利というパリニャも強引に振って出るものの、桑原のステップにまったくついていけなかった。
 2回、パリニャが距離を詰める刹那、桑原の右アッパーカットがどんぴしゃり。後方に吹き飛ぶように倒れ込んだパリニャを見て、レフェリーは即ストップした。
「アッパーは控室でひらめいたもの。どこかで狙っていこうと思った」と桑原。ストレート攻撃が冴えるから、隠し技はなお生きた。11戦10勝(6KO)1敗。

5回から一気に加速した保田
5回から一気に加速した保田

 日本ライト級9位のサウスポー保田克也(30歳=大橋)は2月の初黒星からの復帰戦。ライト級8回戦でタイ同級1位のクライ・セッタポンを6回11秒TKOに下した。
 いつもは慎重な保田だが、この日は積極性をはじめから見せた。しかしその初回、入り際に右を合わされて弾け飛ぶようにしてダウンを喫してしまった。ダメージは感じられず、その後も右でリズムを取りながら、左ストレートを上下に打ち込んでいく。だが、前後動作に終始して多彩さを見せられず、強い右リードで試合を作ることもできず、左のパターンが読まれがちとなった。
 5回、強引に距離を詰めながら強い左で1度、右フックで2度目のダウンを奪うと、ダメージのあるクライを6回早々に一気に攻め落とした。
 サイドへ動くこともできるはずの保田だけに、正面突破に固執しすぎた点が気になった。10戦9勝(6KO)1敗。クライは38戦29勝(19KO)9敗。
  
接近戦で近藤の連打を食らう中垣
接近戦で近藤の連打を食らう中垣

 アマチュア8冠のスーパーフライ級ホープ、中垣龍汰朗(22歳=大橋)は1年ぶりのリングに上ったが、精彩を欠き、近藤冬真(25歳=蟹江)と1-1の引き分けに終わった。
 中垣は攻防とも中途半端だった。懸命に攻める近藤に押し込まれて、もみ合いの展開に持ち込まれるなか、何とかドロー判定にたどり着いた。

左と左の相打ちで勝った田中
左と左の相打ちで勝った田中

 この日は大橋ジム期待の元アマチュアスターがデビュー戦のリングに立っている。
 福岡・博多高校時代に高校選抜準優勝に輝いた田中湧也(23歳)は2020年度全日本新人王、冨田風弥(23歳=TRIBE SHIZUOKA YAMAGUCHI DOJO)とのバンタム級6回戦に判定勝ち。同じサウスポーで長身の冨田が仕掛けるラフなパンチに初回にダウンを喫した田中だが、2回以降はきれいな左ストレートをヒットしていく。終盤は狙い打ちの左が立て続けに決まり、レフェリーストップしてもいい内容だった。

右ボディアッパーをヒットした山川
右ボディアッパーをヒットした山川

 フェザー級4回戦に登場した山川健太(18歳)はインターハイのライト級チャンピオン。ザップ森本(博多協栄)との対戦に3-0の判定勝ちで、こちらも初戦をクリアしている。

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