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2022-07-16

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所7日目の一番】若元春、1敗の翔猿を下す。全勝逸ノ城敗れ大混戦

土俵際で体を開いて翔猿を叩く若元春

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若元春(叩き込み)翔猿
 
午前中にショッキングなニュースが飛び込んできた。出羽海部屋の若い衆が新型コロナ陽性となり、部屋の力士全員が休場となった。場所前に陽性が判明して全休になったことはあったが、場所中は初めてのこと。
 
来場所の番付をどうするのか。白星先行の力士は少し上げないとかわいそうだが、すべては場所後の番付編成会議で決めるそうだ。ここまで2勝4敗のカド番大関御嶽海も休場だが、黒星が先行しているからと言って、大関から落とすことはないだろう。
 
そのほか、隆の勝も右肩を痛めて休場。幕内後半戦が寂しくなった。私は今日、東担当だったのだが、役力士がリモート取材に応じてくれなかったので、上位初挑戦で奮闘する若元春を取り上げたい。
 
7日目は唯一の1敗と元気な翔猿と対戦した若元春。立ち合いで右カチ上げにいき、翔猿を中に入れないように突き放す。翔猿も下から突き上げて逆襲。土俵際まで下がった若元春だが、ひらりと左に体を開いて叩くと、前に出るタイミングがあってしまった翔猿はバッタリと落ちた。若元春の相手をよく見た冷静な取り口が光った一番だった。

「本当は廻しを取りたかったけど、取れないので突き放して様子を見ました。最後はうまく体が動いたというか、反応できました」と若元春はニッコリ。
 
これで4勝3敗と白星が先行。「素質は弟の若隆景よりも上」と先代師匠(元小結大豊)も話していたが、稽古嫌いだった。それが弟につられて熱心に稽古するようになり、地力がぐんぐん伸びてきた。
 
7日目までを振り返って、「前に出ている相撲が多いので、内容としてはいいんじゃないですか」と納得している。上位と当たっても、緊張することなく、「ワクワクしています」と頼もしい。
 
8日目は初の横綱戦、照ノ富士と当たる。「ついに来たかと思いました。勝敗は二の次で思い切り当たっていきます」と、今は相撲を取っていて楽しいだろう。
 
全勝の逸ノ城は正代に敗れて初黒星。ここまでの星を整理すると1敗で単独トップが逸ノ城、2敗が照ノ富士、琴ノ若、翔猿、錦木、翠富士、一山本、錦富士の7人と大混戦。この中に役力士が照ノ富士だけというのは寂しいばかりだ。

文=山口亜土

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