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2022-07-14

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所5日目の一番】逸ノ城、照ノ富士破り単独トップに立つ

モロ差しから胸を合わせて照ノ富士を堂々寄り切った逸ノ城

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逸ノ城(寄り切り)照ノ富士
 
4日目を終えて全勝は平幕の逸ノ城、錦木、一山本の3人だけだったが、一山本、錦木が初黒星を喫し、逸ノ城は結びで横綱照ノ富士と対戦した。
 
過去の対戦は照ノ富士の13勝2敗で、現在7連勝中。照ノ富士が幕内に復帰してからは一度も負けていない。逸ノ城としては一緒に来日しただけにライバル心も強く、連敗を止めたいところだ。
 
立ち合い、当たってすぐに得意の左上手をつかんだ逸ノ城。上手を引きつけて横綱の腰を浮かし、右の差し手から起こして前に出る。照ノ富士も懸命にこらえ、右の差し手を抜いて右から抱え込んだ。逸ノ城はモロ差しの体勢となるが、左右から極められて我慢。両下手を深く持ち替え、ヒジを曲げて極めさせないようにすると、下からあおって上体を起こし、胸を合わせて寄り切った。
 
逸ノ城はこれで9個目の金星獲得。照ノ富士からは初めてとなる。単独トップに立った逸ノ城は、「立ち合いから廻しが取れてよかったです。落ち着いて出ようと思っていました」と振り返る。
 
先場所は新型コロナ陽性となり休場。「症状は全然出なかった」そうだが、テレビで相撲中継を見ながら、「オレも頑張らなければいけないと思った」と、基礎から鍛え直した。
 
所属の湊部屋には逸ノ城以外は幕下以下の若い衆で、激しい稽古はできないが、少し体を休め、自分を見つめ直す時間ができたことで、体調の不安なく名古屋場所に臨むことができた。
 
今場所は当たってすぐに左上手が取れている。立ち合いの当たり、踏み込みがいい証拠だろう。左上手をつかめば、力は大関級というか、勝てる力士はなかなかいない。

「ここまでは悪くないと思う。一日一日、集中して取りたいと思う」と結んで引き揚げた逸ノ城。終盤までスタミナが持つかがカギとなりそうだ。
 
2敗目を喫した照ノ富士はリモート取材には応じずに会場をあとにしたが、先場所のことを思えば、まだまだという気持ちだろう。照ノ富士が勝ってトップに並んでいたら、優勝は照ノ富士で決まりかなという雰囲気になっていたが、2差ついたことで優勝争いがより面白くなったと思う。

文=山口亜土

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