close

2022-07-21

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所12日目の一番】正代、7連勝で勝ち越しカド番脱出

碧山を圧力で押し出し勝ち越しを決めた正代

全ての画像を見る
正代(押し出し)碧山

12日目も新型コロナ感染者が浅香山部屋で出てしまった。今場所中の感染による休場は6日連続で7部屋目。東京都の感染者も初めて3万人を超え、プロ野球界も大変なことになっている。これはもう仕方がないのか。何とか止まってほしいと願っている。
 
優勝争いはトップから1差の3敗力士が錦富士、翔猿、錦木と敗れて、照ノ富士、逸ノ城が2敗で並走し、1差で追うのは貴景勝だけになった。逸ノ城がリモート取材に応じてくれなかったので、カド番の正代を取り上げることにした。
 
6日目から6連勝中の正代は、元横綱白鵬の間垣親方から「汗をかいてから土俵へ行け」とアドバイスを受けてから、見違えるように内容がよくなってきた。これまでも準備運動はしていたのだろうが、汗をかくほどはしていなかったようだ。現役時代の白鵬は、「汗を拭けよ」と思うくらい土俵に上がって汗をかいていたが、大事なことだったんだなと再認識。
 
勝ち越しを懸けた正代は碧山と顔が合った。立ち合い、左足から踏み込んだ正代。碧山に突き起こされアゴが上がるも、構わず前に出て、一気に押し出した。アゴが上がり、腰が高くても前に出る圧力がすごいのが正代。本来の相撲を思い出したようだ。
 
4回目のカド番を脱出した正代は、「すごくホッとしています」と第一声。「立ち合いで起きてしまったけど、よく足が出てくれた」と振り返る。

「これまで取組が終わって部屋に帰っても気持ちが休まらなかった。ずっと相撲のことを気にしていた。今日は眠れるといいな」と苦しかった心情を吐露。
 
最近は横綱戦を外されることが何度かあり悔しい思いをしてきたが、今場所は14日目に対戦するだろう。明日の13日目は3敗の貴景勝と当たる。

「ひと段落ついたので、ここで気を抜くんじゃなく、気合を入れ直して、今場所を締めていければと思う」と語って引き揚げた正代。優勝のカギを握る存在となってきた。

文=山口亜土

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事