WBSS優勝を果たした井上尚弥(大橋)は言った。「入場曲は大事です。違う曲だったら、勝てなかったかもしれない」、と──。彼は長年親しんだ曲から、親交のある布袋寅泰さんの名曲に変え、あのノニト・ドネア(フィリピン)との激戦を勝ち抜いたのだった。
明日15日発売の『ボクシング・マガジン7月号』の巻頭では、入場曲をメインとした特集を掲載。入場曲の歴史を振り返るとともに、いよいよ近づいてきた試合再開に向け、曲に親しみながらカウントダウンを開始したい。
上写真=井上尚弥は、入場でも大観衆を惹きつける
写真_BBM
いまや、どこのジムに行っても、トレーニング中に音楽が流れているのは当たり前。ロードワーク中やフィジカルトレーニングの際も、常に音楽がボクサーを包み込んでいる。その理由は「気持ちを高揚させたい」、「リズムを刻みたい」など様々だろう。そして、選手たちの登場を待ち構えるわれわれも、入場と同時に飛び込んでくる曲に、胸を高鳴らせるのだ。
かつてはテレビ各局のスポーツテーマ曲で入場という時代が続いた。けれども、いまやロック、ポップス、ヒップホップ、EDM、クラシックなど、音楽シーンの充実とともに、選手たちが選び出す曲も多岐にわたる。そうしてボクサーたちはリズムを刻みつけ、リングへと上がっていくのだ。
入場曲の歴史を簡略ながら本筋とし、八重樫東(大橋)と人気ミュージシャンAK-69の“歩み”を、毎回派手な入場で楽しませてくれる東洋太平洋スーパーバンタム級チャンピオン勅使河原弘晶(輪島功一スポーツ)に“入場で魅せる理由”を、かつてド派手入場を演出してきたJB SPORTSジムの山田武士トレーナーに“大切な提言”の数々を、さらには知る人ぞ知る名曲で入場した過去を持つ、カメラマンの山口裕朗さんにインタビュー。
また、特集末では、男子6名、女子5名の現役世界チャンピオンをはじめ、元世界チャンピオン、日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック・チャンピオン、総勢42選手の入場曲(曲名&ミュージシャン、作曲者)をリストアップ。これをしっかりと聴き込んで、再開後の選手たちを後押しししよう。
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